ダッソー・システムズは、同社の教育、研究向け基金が支援する国際プロジェクト「スキャンピラミッド」が、クフ王の大ピラミッドにおける巨大空洞の存在を明らかにしたと発表した。パリの国立建築遺産博物館では、この空洞をVRで体験できる。
フランスのダッソー・システムズの教育・研究向け基金が支援する国際プロジェクト「スキャンピラミッド」が、クフ王の大ピラミッドにおける巨大空洞の存在を明らかにした。
スキャンピラミッドは、ダッソーによる先行研究を引き継ぎ、2015年10月から非営利団体HIP(Heritage Innovation Preservation Institute)と、カイロ大学工学部が進めているプロジェクト。非侵襲、非破壊による検出技術でエジプトのピラミッド群を透視(スキャン)し、その内部構造を明らかにする試みだ。
同プロジェクトは、2016年10月に梁の陰にある回廊の入り口を発見。また今回、英科学誌「Nature」で、クフ王の大ピラミッドにおける巨大空洞の存在を明らかにした。全長30mの巨大空間は、これまでに知られている「大回廊」に匹敵するという。クフ王の大ピラミッド内部では、中世以降、主要な建築構造が一切発見されておらず、ダッソーは今回の発見を画期的なものであるとしている。
ダッソーの教育、研究向け基金「ラ・フォンダシオン・ダッソー・システムズ」は、プロジェクトのメンバー企業であるEmissiveと共に、VR(仮想現実)エクスペリエンスなどの専門技術をHIP Instituteとカイロ大学に提供している。
パリの国立建築遺産博物館では、このVRエクスペリエンスのプロトタイプ版を公開している。VRヘッドセットを身に付けて、VRやAR(拡張現実)を用いた没入感の高い環境に入り込めば、今回明らかにされた大ピラミッドの内部の様子を、実際に見て回るかのように深く理解できる。
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