英Armは、統合型ディスプレイソリューション「Arm Display Solution」を発表した。ディスプレイプロセッサとシステムIP、ディスプレイ管理コアの3つの要素を連携させることで、現在のディスプレイ技術の課題を解消する。
アーム(Arm)は2017年11月1日、VR(仮想現実)ヘッドセットやHDR(High Dynamic Range)、マルチウィンドウ向けに、統合型ディスプレイソリューション「Arm Display Solution」を発表した。ディスプレイプロセッサ「Mali-D71」、システムIP「CoreLink MMU-600」、ディスプレイ管理コア「Assertive Display 5」で構成される。
Mali-D71は、VRにおいて4K120fpsの性能を保証する。固定機能として、ハードウェア上でコンポジションや回転、高品質スケーリングなどの画像処理を実施し、GPUのワークロードを軽減する。これにより、システムの消費電力を30%削減する。
前世代の「Mali-DP650」と比較して、同一面積あたりの処理性能が2倍に向上。また、システムバス上で最大4倍の遅延を許容し、同一のスループットを出すことができる。サイドバイサイドモードで実行した場合、ピクセルスループットは従来の2倍を達成できる。
CoreLink MMU-600は、同社がこれまで取り組んできたArm Corelink MMU-600の特殊レンダリング版とMali-D71の組み合わせにより、統合ソリューションで55%の省面積化を可能にした。また、リアルタイムパスからMMUのレイテンシを隠すことで、レイテンシを50%改善する。
Assertive Display 5は、ディスプレイ処理のパイプラインにHDR制御を組み込み、色彩や色域の制御機能を向上させることができる。ダイナミックレンジや色域にかかわらず、あらゆる特性のディスプレイにHDRコンテンツ(HDR10またはHLG)を提供でき、SDR(Standard Dynamic Range)ディスプレイでもHDR体験が楽しめる。
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