島津製作所は、精密な機械制御機構を搭載しない一般撮影システムやX線TVシステムでもトモシンセシス画像が取得できる、新たな技術を開発した。わずかな撮影枚数でも断層画像の画質を保てる新しい手法を活用している。
島津製作所は2017年10月11日、一般撮影システムやX線TVシステムでもトモシンセシス画像が取得できる、新たな技術を開発したと発表した。独自の位置情報算出アルゴリズムや、わずかな撮影枚数でも断層画像の画質を保てる新しい手法を活用している。
新技術では、被検者の撮影部位付近に専用の位置合わせ用ファントムを設置し、照射角度を変えながらX線撮影を行う。取得した複数枚の画像を専用ソフトウェアで処理することで、トモシンセシス撮影向けの精密な機械制御機構を搭載しない一般撮影システムやX線TVシステムでも、トモシンセシス撮影が可能になった。
同社による評価では、従来のトモシンセシス画像と同等の空間分解能を確認。今後は、新技術を同社の一般撮影システムに適用して2018年内に実用化を目指す。
トモシンセシスは、Tomography(断層撮影)とSynthesis(合成)から成る医療用語。連続した複数枚のX線撮影画像から断層画像を作り出す技術を指す。骨折部位の詳しい観察や人工関節置換術後の経過観察など、主に整形領域で利用されている。
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