サイバートラストは、ミラクル・リナックスとの合併後、新体制として初めての事業戦略説明会を開催。製品に組み込む半導体レベルから認証鍵を入れ込みライフサイクルを通じて認証が可能な基盤を展開していく方針を示した。
サイバートラストは2017年10月24日、ミラクル・リナックスとの合併を経て新体制となった後、初となる事業戦略発表会を開催した。製品に組み込む半導体レベルから認証鍵を入れ込みライフサイクルを通じて認証が可能な基盤「セキュアIoTプラットフォーム」の展開を強化する。
旧サイバートラストは2017年10月1日付でミラクル・リナックスを存続会社として吸収合併の形を取り、存続会社(旧ミラクルリナックス)が社名を「サイバートラスト」に変更して再出発を果たした。
これにより、サイバートラストが展開してきた電子認証インフラとミラクル・リナックスが展開してきた組み込みLinux OSの技術を融合した取り組みを推進。2016年度から協業してきたが、合併後の相乗効果として最も力を入れるのが、これらの強みを組み合わせた「セキュアIoTプラットフォーム」である。
「セキュアIoTプラットフォーム」は、半導体設計時から廃棄処分工程まで、ライフサイクルを通じてIoT機器のセキュリティ状態を一気通貫で管理する認証・運用基盤である。公開鍵基盤(PKI)と多角的な認証によるIoT機器や利用者の真正性担保と、暗号化による機密性の確保、電子署名による改ざん防止や安全性確保、OSやソフトウェアをセキュアに更新する仕組みなどを一括して提供する。
サイバートラスト 代表取締役社長の阿多親市氏は「IoTデバイスの普及は大きく拡大し、さらに耐用年数も増えることから稼働台数も大幅に伸びていく。その中で重要になるのがIoTデバイスの認証である。サイバートラスト単独では電子認証だけの領域しか担えなかったが、ミラクル・リナックスと一体となることで、半導体のセキュア領域に共通鍵を書き込むことが可能となり、IoTデバイスのライフサイクル全体を管理することが可能となった」と語る。
サイバートラストではこの「セキュアIoTプラットフォーム」を国内外のグローバルパートナーと協業して広げていく方針。事業説明会では、アーム、台湾Taisys Technologies、大日本印刷、NEC、日本マイクロソフト、ミツフジ、ミルウス、ユビキタス、ラック、ラムバスの10社のパートナーが登壇し「セキュアIoTプラットフォーム」への期待を述べた。「セキュアIoTプラットフォーム」の導入は、このパートナーのミルウスとミツフジの2社が決まっており、2018年以降に製品やサービスが出てくる見込み。ただ、実証については大きく拡大しているという。
今後の取り組みについて阿多氏は「ニュートラルな立場でさまざまなパートナーと協業体制を築き、安全な IoT 社会の実現に貢献したい。パートナーとともにさまざまなビジネスモデルを作っていく」と述べている。
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