除外時間は、機械故障、教育、保健衛生などの原因によって本来の作業ができず、直接作業の遂行が困難となり、間接作業や準間接作業などへ動員した場合やあらかじめ想定した余裕時間に設定された時間値を超えた時間をいいます。例えば、無作業、作業待ち、病院の受診・診療、私用外出などの時間を指します。
(1)無作業時間
無作業時間は、停電、材料待ち、機械故障などで作業をしなかった時間のことで、余裕時間として扱った時間値を超えた時間をいいます。
(2)雑作業時間
雑作業時間は、例えば、作業指導、教育、救援活動、消防活動など、生産に全く関係のない作業に従事した時間をいいます。
(3)私用、その他の時間
例えば、私用外出、その他で作業しなかった時間のことです。
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前回までは、「標準時間(S.T;Standard Time)」は、経営管理や工場管理において、極めて重要な位置付けにあることを説明しました。今回から、標準時間の本質に迫っていきますが、「図1 標準時間と実働時間の構成」だけをみても、想像以上の厳密さを感じられたと思います。
標準時間は、原価計算や設備投資の意思決定などに利用され、生産計画、作業習熟度の評価などの工場管理の基本となる数値だからこそ厳密さを要求されるわけです。「標準時間」の信頼性の高さが、その応用範囲を広げている一因にもなっているのだと思います。
標準時間は、材料、設備、工具、作業条件、そして作業方法が決まって、初めて設定されるものです。従って、それらの前提に変化が生じた時点で、もはやそれは標準作業ではなくなります。換言すれば、それらの前提が変わったならば直ちに標準時間を改訂しなければなりません。しかしながら、この明確な原則の実行がおろそかになっている状況が多く見受けられます。
標準時間の設定が終われば、永久にその標準時間が適用されるということでは進歩がありません。しばらくの時間が経過すれば再び改善の必要が生じて標準作業や標準時間が改訂されなければならなくなってきます。このようなサイクルが円滑に実行されていく必要があります。
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MIC綜合事務所 所長
福田 祐二(ふくた ゆうじ)
日立製作所にて、高効率生産ラインの構築やJIT生産システム構築、新製品立ち上げに従事。退職後、MIC綜合事務所を設立。部品加工、装置組み立て、金属材料メーカーなどの経営管理、生産革新、人材育成、JIT生産システムなどのコンサルティング、管理者研修講師、技術者研修講師などで活躍中。日本生産管理学会員。
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