General Purpose Armの応用は以下のような例が検討されている。
高精度力触覚技術については、複雑な加速度規範双方向制御方式に基づくアルゴリズムを誰でも使いやすくするためASIC「ABC-CORE」として提供も始めた。スピンアウトベンチャーのMOTION LIBが販売している。
また、産業機器、ロボット、自動車、建設機械、農業、測定機器、医療、介護、健康機器、航空宇宙分野など約30社の企業と高精度力触覚技術を用いた共同研究も進めている。先行して発表されたシブヤ精機の選果ロボットは、腐敗した果物をラインから取り除くためのものだ。従来は、対象になる果物を吸着して取り除いていたが、腐敗部だけを吸い取ったり、腐敗した液体が吸着機構につまるなどの課題があった。高精度力触覚技術の活用によって、さまざまな状態が想定される腐敗した果物を的確につかんで取り除くことができるという。
この選果ロボットをはじめ、多数の高精度力触覚技術の共同研究成果がCEATEC JAPAN 2017で披露される予定だ。
なお、General Purpose Armは、NEDOが政府の「ロボット新戦略」を受けて2015年度から推進している「次世代人工知能・ロボット中核技術開発(SamuRAIプロジェクト)」の先導研究の1つとして研究開発が進められてきた。2015年度にスタートしたSamuRAIプロジェクトは、AI(人工知能)技術の研究開発は産業技術総合研究所内の人工知能研究センター(AIRC)に結集して進める一方で、ロボットの研究開発はさまざまな拠点で分かれて実施している。将来的には、SamuRAIプロジェクトのAIとロボットによって社会課題を解決していく方針である。
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