味の素が自動化を進めた包装工場稼働、ロボット採用で生産性1.7倍に:工場ニュース
味の素は、ロボットなどを採用し自動化を推進した新工場を建設し、このほど稼働を開始した。
味の素とその子会社である味の素パッケージングは2017年8月7日、味の素パッケージング関東工場(神奈川県川崎市)の老朽化に伴い、2016年に着工した新工場(関東包装工場)の稼働を開始した。
味の素パッケージング関東包装工場
味の素パッケージングは国内に3工場を保有する味の素グループの包装機能会社で、関東工場は同社最大の拠点となる。ただ、工場内の包装場は6カ所に分散され、かつラインが多岐にわたり手作業も多いことから生産効率が低かった。今後、生産年齢人口減少に伴う労働力確保も課題となっていた。
新工場は、販売品種や包装仕様の見直しなどによりライン数を大幅に削減し、1カ所に集約。さらに産業用ロボットなどの活用による自動化を推進し、従来に比べ生産性を1人当たり約1.7倍に高める。具体的には包装工程において、仕様の異なる2ラインの対応を1台で行う多機能型ロボットを導入し、省投資、省スペースでの自動化を実現した。加えて、最終包装製品を集荷する際、無人搬送車を導入することで工場内の人の移動を容易にし、設備レイアウトの自由度を高めた。
製品を箱詰めするロボット
さらに工場内のゾーン管理によりコンタミネーション(汚染)や異物混入を排除するとともに、工場内外に品質保証カメラを設置し、入場管理を徹底することによって品質保証体制を強化する。併せて、市場が伸長しているスポーツサプリメント「アミノバイタル」の包装工程ではJIA食品生産システム認証審査※)にも対応している。
※)「JIA食品生産システム認証審査」:FDA21CFR111(米国の栄養補助食品製造のガイドライン)をベースに構築されている食品衛生のプログラム。JADAによるアンチドーピング認証に必要な製造工程管理基準を指す
新工場では、今後も生産現場における新たなロボット導入による自動化や、ICT(情報通信技術)の活用による帳票類の電子化、稼働状況の「見える化」などを積極的に進め、さらなる生産性の向上を目指すとともに、品質管理の徹底を図る。
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