矢野経済研究所は、国内のIoT型センサーシステム市場の調査結果を発表した。2016年度の同システム国内市場規模は、前年度比6.7%増の109万6000システム。今後も伸長を続け、2020年度に200万超、2021年度には214万2000システムになると予測する。
矢野経済研究所は2017年7月18日、国内のIoT(モノのインターネット)型センサーシステム市場の調査結果を発表した。
同調査によると、2016年度のIoT型センサーシステム国内市場規模(エンドユーザー設置数量ベース)は、前年度比6.7%増の109万6000システム。M2M(機器間通信)を通信回線に利用したシステムの導入が好調だった。分野としては、HEMS、BEMSなどのエネルギー関連やセキュリティ関連が堅調で、加えてMVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)の事業拡大による用途の多様化も拡大要因とみられる。
今後も、作業者向けの健康モニタリングといったヘルスケア関連、ガス業界でのセンサーシステム導入などを要因として伸長が続き、2020年度に200万システムを超え、翌2021年度には214万2000システムになると予測している。
分野別に見ると、2016年度の国内市場では、セキュリティ関連(機械警備など)が46.0%、自動車関連(TPMS:Tire Pressure Monitoring System、防犯装置、運行管理、コネクテッドカー関連など)が36.5%、エネルギー関連(HEMS、BEMS、店舗でのエネルギー監視など)が16.1%で、この3分野で98.6%を占めている。
将来的には、工場/製造関連分野の成長が期待できるとする。同分野では、生産設備/機器やユーティリティー設備などへのセンサー設置は進んでいるが、一方で取得したデータの活用は限定的なものにとどまっている。近年、工場にIoTを導入してデータの収集/蓄積/分析をシステム化する動きが進んでおり、特に設備/機器のエネルギー監視、保全/メンテナンス、品質管理といった業務でのIoT型センサーシステムの活用が見込まれる。中長期的には、CBM(Condition Based Maintenance:状態基準保全)や予防保全、故障予知ソリューションとしての普及が期待される。
同調査は、クラウドタイプのセンサーネットワークシステムを対象とする。また、親機(中継器)と子機(センサーノード)で構成される後付けタイプのシステムに加え、機器にあらかじめセンサーが組み込まれた組み込みタイプも含む。通信回線は無線および有線。スタンドアロンで利用されている装置や、スマートフォンなどのスマートデバイス、RFID(Radio Frequency Identification)システムは含まない。
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