マイナビは、三菱総合研究所と共同で、AIエンジン「HaRi」を活用した新サービスを開発した。人材領域に特化したHaRiの学習/判断能力によって、企業の採用活動や学生の企業研究をサポートする。
マイナビは2017年7月18日、三菱総合研究所と共同で、HR(人材)領域に特化したAIエンジン「HaRi(ハリ)」を活用した企業/学生向けの新たなサービスを開発したと発表した。今秋のリリースを予定している。
HaRiは、三菱総合研究所が2017年7月に開発した、HR(人材)領域の課題を解決/支援するAIエンジン。汎用AIではなく、採用に関する実務を通して収集したデータを基に、AI構築に用いるロジックやアルゴリズムを算出し、HR領域に特化して作り込んでいる。
マイナビと三菱総合研究所は2016年10月、AIを用いた企業向け「エントリーシート優先度診断サービス」の試験運用を開始した。企業の過去の採用実績から、AIが選考/評価基準を学習し、企業にとっての優先度をエントリーシートごとに予測し出力するサービスだ。今回、このサービスに機能を追加し、名称を「AI優先度診断サービス」と変更してリリースする。
新たに追加される機能は、辞退の可能性が高い学生を抽出する「辞退可能性予測」や、文章のコピー&ペーストを見抜く「剽窃診断機能」、AIの判断に人の知見や意向を組み込める「AIハイブリッド診断」機能など。AIによる学習/診断で、採用後の活躍者を予測することもできる。現在30社が試験導入しており、次年度は50社への導入を計画している。
学生向けには、マイナビとして学生対象のサービスに初めてAIを導入し、学生の企業研究の幅を広げるサポート機能を開発した。従来の就職情報サイトのような、膨大な掲載情報のごく一部にひも付ける検索機能とは異なり、AIが大量の文章データを学習して、掲載情報の持つ「意味」を理解し、「単語の一致」に留まらないマッチングをする。
2万社を超える企業情報と学生の記述内容による親和性を分析し、所属学校の採用実績や専攻分野、志望業種といった条件と掛け合わせることで、学生自身が検索条件を調整できる。また、学生の「スキル/志向」と、企業側の「求める人材要件」をつなぎ、適合する企業をAIが診断する。学生側のフィードバックをAIが学習することでマッチング精度を高める機能の追加も予定している。
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