ストラタシス・ジャパンは「第28回 設計・製造ソリューション展(DMS2017)」で少量生産とマスカスタマイゼーション(個別大量生産)向けの拡張マルチセルプラットフォーム方式3Dプリントシステムである「Stratasys Continuous Build 3D Demonstrator」を日本で初公開。実際に稼働もさせた。製品化は未定。
ストラタシス・ジャパンは2017年6月21日、「第28回 設計・製造ソリューション展(DMS2017)」において、少量生産とマスカスタマイゼーション(個別大量生産)向けの拡張マルチセルプラットフォーム方式3Dプリントシステムである「Stratasys Continuous Build 3D Demonstrator」を日本で初公開した。同システムはデモ版(Demonstrator)であり、顧客の下でβ評価してもらいながらリサーチしている段階、かつ製品化は現時点未定ということだ(関連記事:複数の3Dプリントセルが同時に稼働する少量生産向けプラットフォーム)。同システムは、小ロット生産や個別大量生産のニーズに対応できるよう開発中ということだ。
それぞれの3Dプリンタの造形品質は同社のFDM方式の上位機種「Fortus」シリーズレベル相当だという。会場デモでは、同システムでさまざまなカラーの部品(それぞれ単色)を実際に造形する様子を披露した。この発表会が終わっても、会場内でもくもくと作り続けていた。
同システムは複数の3Dプリントをセル化し、それらのデータをクラウド上のサーバシステムに集約して管理し、極力人手を介さずに自動で積層造形できる。3Dデータをクラウドの専用ソフトウェア内にある所定の場所にドラッグ&ドロップすると、造形のためのデータ生成と準備が自動で始まる。稼働させる装置や、それぞれで造形させる色なども専用ソフトウェアから簡単に設定できる。
複数のタスクは自動でスケジューリングされ、随時実行される。まるで2D(紙の)プリンタのようなプロセスさながらに操作が行える。造形物が出来上がると自動的に手前のトレイに吐き出す。
各3Dプリンタにおけるタスクの負荷も自動コントロールし、稼働時にエラーが生じれば、処理できなかったデータを再び管理センターに自動で戻し、タスクを再振り分けしてくれる。この技術は同社の「GrabCAD」の技術が生かされている(関連記事:「書類のプリンタ出力と同じ感覚を目指す」「単に上に積み上げるだけじゃない」――3Dプリンティング最先端)。
3Dプリンタの連結形状は、タワー型、並列型など、設置場所や用途に応じて自由にできるという。
「何千台でも増やせる拡張性がある」ということだったが、「いくつまで3Dプリンタをつなげられるのか」という記者の問いには「理論的にはいくらでも」と同社は回答している。
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