LPガスの配送合理化にLPWAネットワークを活用する実証事業製造ITニュース

アズビル、東京ガスなど4社は、LPガスの配送合理化を目的としたIoTの実証事業を、2017年9月から共同で実施する。LPWAネットワークを活用してLPガスの使用量を多頻度かつ遠隔で調査し、その情報をガス容器交換や配送の合理化につなげる。

» 2017年06月23日 09時00分 公開
[MONOist]

 アズビル、アズビル金門、東京ガス、東京ガスリキッドホールディングスの4社は2017年6月5日、LPガス配送合理化を目的として、LPWA(Low Power Wide Area)ネットワークを活用したIoT(モノのインターネット)の実証事業を、同年9月から共同で実施すると発表した。

 現在LPガスは、ガス利用者の自宅を毎月訪問して検針で残量を予測し、LPガス容器を配送している。ガスの使用は気温や生活パターンによって変化するが、検針は月1回のため、LPガス容器内に十分な量のガスが残っていても容器を交換する場合がある。今回の実証事業では、ガス使用量を多頻度かつ遠隔で調査することでガス残量を正確に把握し、LPガス容器の配送方法の合理化を目指す。

 実証事業では、IoT向けLPWA無線技術の1つである「LoRaWAN」を活用する。アズビル金門が開発した既存のガスメーターに接続できるLoRaWAN対応通信装置、あるいは同装置を内蔵できるガスメーター「K-SMα」を特定地域の利用者宅に集中的に設置して、LoRaWANによるネットワークを構築する。通信性能を検証しつつ、実用化に向けての課題を洗い出す。

 併せて、容器内のガス残量や配送の情報などをビッグデータ解析し、LPガス容器の配送方法(配送の日時、本数、配送ルート)を最適化するシステムの経済的効果を評価する。これらにより、LPガス容器内のガス残量が下限となった時点で容器交換するなど、配送の合理化が可能になる。

 アズビル、東京ガスの支援の下に実施する同事業は、アズビル金門がLPガスメーターやLoRaWAN対応通信装置の提供、LPガス容器の配送方法を最適化するシステムのアプリケーション開発を担う。東京ガスリキッドホールディングスは子会社実績検針データの収集と提供、同事業を実施する地域の選定、データ活用による物流改革方策の提示を担当する。さらに両社は共同で、子会社およびアライアンス先に対して、実証支援や実証データを活用したソフトウェア開発などを実施する。

photo 検針データのビッグデータ解析による配送方法の最適化

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