エン・ジャパンが、2017年度の新入社員の特徴と育成ポイントをまとめ、発表した。2017年度の新人は、自己成長に前向きで合理的だが、周囲を巻き込むことが苦手で、競争やリスクを伴う挑戦を好まない傾向があることが分かった。
エン・ジャパンは2017年5月25日、2017年度の新入社員の特徴と育成ポイントをまとめ、発表した。
調査対象は、同社提供の新人研修を受講した2017年4月入社の新卒社員322人。企業が求める特性や能力を持つ人材を簡単に見極められる適性テスト「3E-IP」を実施し、その結果から2017年度の新入社員の特徴をまとめた。
「コミュニケーションの取り方」については、2017年の新人は周りを巻き込むことが苦手で、殻にこもる傾向があることが分かった。物心ついたころからSNSが普及していた彼らは、自身について発信する機会が多かった。そのためか、自分の意思を伝えたい気持ちは強いが、周りからどう見られるかを気にして、自分から人と関わり、対面で意思表示するのは苦手なタイプが多い。筋道を立てて説明することや、熱意で周囲を巻き込むことも苦手な傾向がある。
「仕事へのスタンス」では、人との競争やリスクを伴う挑戦を好まず、キャリアへの興味や関心度が薄い。特定の分野で自分の能力やスキルを成長させたい志向が強く、私生活を重視する傾向がある。慣例や既存の概念にとらわれず、柔軟に仕事に取り組むことは得意だが、自分の判断で進めることが苦手なタイプが多い。
適性テスト3E-IPの受検結果を2012年と2017年で比較してみると、2017年度の新人は「変革性」が高くなっており、自己成長やスキルアップに前向きであることがうかがえる。「論理性」も高く、目標達成へのプロセスを合理的に考えることが得意なようだ。
一方で「主体性」「外向性」「協調性」「行動性」「野心性」「競争性」が低く、自分から動いて業務範囲を広げることをためらう傾向が強い。「人付き合い」や「仕事の負荷量」など「ストレス耐性」の項目も全体に低くなっている。
育成ポイントとしては、指導する側がコミュニケーションを心掛け、タイミングを工夫しつつ対話を重ねることが必要だ。また、早期に成功体験を積ませて、期待を含んだ言葉をかけつづけることで、新しい目標や役割に対して前向きに取り組むことが予想される。
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