前述したようにGIIASには商用車も展示され、こちらも乗用車と同様に日系自動車メーカーの4ブランドが中心的な存在となっています。しかしもう1つ、インドネシア特有の出展社があります。それは「カロセリ」と呼ばれるボディー架装業者です。
インドネシアには、日野自動車やScania(スカニア)のシャシーを使い、独自の観光バスや路線バスを作るカロセリが幾つも存在しています。そのなかでLAKSANA(ラクサナ)やADIPUTRO(アディプトロ)といった大手は、モーターショーでも大きなブースを展開します。
ラクサナの新型路線バスは極めて洗練された、モダンなスタイルが魅力です。また車内も、使いやすさがよく考えられていました。話を聞いてみると、R&D能力の蓄積と洗練に力を注ぎ、人間工学的な視点で工業デザインを行っているのが強みだとのこと。これは逆に言えば他社の場合、使い勝手が重視される路線バスであっても、まだまだ職人の経験や勘に頼っている部分が多いということなのかもしれません。
観光バスは、全体的にゴージャスな内装が好まれるようです。ちなみにこうした大型バスで、日野自動車以外の日系ブランドが使われることはまずありません。その理由はカロセリが腕をふるえるような、シンプルかつ質実剛健なシャシーを持っていないから。いくらビジネスがグローバル化しても、好まれる製品の基準が地域によって異なることは変わらないという一例です。
当然のことながら、GIIASには2輪ブランドも出展しています。ただしインドネシアに生産拠点を持つ大手ブランドはモーターサイクルショーに注力していることもあり、非常に小さなブース展開となっています。
その代わりにインドのロイヤルエンフィールドやロシアのウラルといった、長い伝統を持つブランドの現地法人や輸入元が精力的にアピールしていました。また日本の電動モーターサイクルメーカー、テラモーターズも出展。一方で大手ブランドのブースが小さかったのは、会場のICEの展示面積がさほど広くないことも影響しているかもしれません。
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