展示会:テクノフロンティア2017
特集
» 2017年05月15日 06時00分 公開

クルマの価値は「思い通りの走り」だけでなく「いかに安全に賢く走るか」TECHNO-FRONTIER 2017 基調講演(2/3 ページ)

[長町基,MONOist]

行きたい所へ自分の力で出掛けるために

 さらに、伊勢氏は自動運転技術の実用性について「パラリンピックの選手の『たとえ体が不自由でも、行きたいところへ自分の力で出掛けたい』というインタビューを聞いたときに強く感じた。それはトヨタ自動車の創業時からの思いである『自動車を通じて人々に笑顔を届けたい』ということの実現である」と語った。

 トヨタ自動車は自動運転技術を通じて全ての人々が安全かつスムーズに、自由に移動できる社会の実現を目指している。特に安全分野では自動運転技術を最優先課題と位置付けている。

 安全なクルマの開発以外にも、ドライバーや歩行者への啓発活動、交通環境の整備に向けた働きかけも含めた三位一体で取り組みを推進中だ。統合安全コンセプトとして、パーキングから衝突後までの全ての運転シーンで最適な支援をしていくという、考え方である。

 駐車場でのペダル踏み間違いに対しては、ICS(インテリジェント クリアランス ソナー)を採用している。ICSを搭載した車種は、ブレーキとアクセルの踏み間違えによる駐車場での事故件数が約7割減少するなどの保険会社のデータもある。この機能は事故を削減するのに効果的なことであることから、「クラウン」など7車種からさらに搭載車種を増やしていく考えだ。

 予防安全システムの普及を目指し開発した衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)」も搭載車種を拡大している。2017年末までにほぼ全車種に搭載する計画である。このシステムは、ミリ波レーダーと単眼カメラの2種類のセンサーにより、高い認識性と信頼性を確保しており、プリクラッシュセーフティーシステム、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビームなどの機能で衝突の回避もしくは被害を軽減できるよう、ドライバーをサポートする。

Toyota Safety Senseにはミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた「P」と、レーザーレーダーと単眼カメラを併用する「C」がある(クリックして拡大)

 この他、自動車に搭載したセンサーでは捉えきれない見通し外のクルマや人の存在、信号情報を、道路とクルマ、あるいはクルマ同士が直接通信して取得し、ドライバーに知らせることで安全運転を支援する「ITS Connect」を世界に先駆けて商品化している。2020年までに日米のほぼ全ての車両に通信機であるデータコミュニケーションモジュール(DCM)を搭載することを決めた。

ITS Connectの路側の設備(左)。右折時に、対向車両や歩行者への注意を促す(右)(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車

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