アウディは「第87回ジュネーブ国際モーターショー」において、電源電圧48Vの車載システムと電動スーパーチャージャー、ガソリンターボエンジンを組み合わせたマイルドハイブリッドSUV「Q8 sport concept」を披露した。
Audi(アウディ)は「第87回ジュネーブ国際モーターショー」(プレスデー:2017年3月7〜8日、一般公開日:3月9〜19日)において、電源電圧48Vの車載システムと電動スーパーチャージャー、ガソリンターボエンジンを組み合わせたマイルドハイブリッドSUV「Q8 sport concept」を披露した。
アウディは既に、量産モデル「SQ7」で48Vのマイルドハイブリッドシステムを搭載しているが、ディーゼルエンジンとの組み合わせだった。マイルドハイブリッドシステムにより、燃料消費は走行距離100km当たり1l(リットル)削減、CO2排出量は25g/km低減する。
駆動システムは、電動スーパーチャージャーと、排気量3.0lの6気筒ツインターボの直噴ガソリンエンジン、容量0.9kWhのリチウムイオンバッテリー、駆動用モーターで構成する。
クランクシャフトと8速ティプトロニックの間に配置したスタータージェネレーターは、エネルギー回生を行うだけでなく、駆動用モーターも兼ねる。スタータージェネレータの出力は20kWで、効率的に素早くリチウムイオンバッテリーを充電する。48Vのマイルドハイブリッドシステムは、大電力を効率よく電装部品に供給できるのが利点だ。
回生したエネルギーは動力性能向上に活用できる。エンジンと駆動用モーターが同時に働くブースト運転モードでは、駆動用モーターの出力20kW、170Nmのトルクがエンジンに加わることにより、システム全体では出力350kW、トルク700Nmを発揮する。渋滞時や低速での方向転換、駐車時などはエンジンを停止し、駆動用モーターでのみ走行できる。
エンジンはツインターボで電動スーパーチャージャーも組み合わせるため、優れた瞬発力を実現するという。電動スーパーチャージャーは、排気の流量が少なくターボチャージャーからの過給が少ない時に働く。
電動スーパーチャージャーは、インタークーラー用のバイパス回路の下流、エンジン近くに配置している。タービンの代わりにモーターを内蔵しており、250msで7万rpmまで回転数を高めて過給する。これにより、エンジンが低回転でもドライバーがアクセルを踏んだ時に強力なパワーを発揮するという。巡航時には、シフトダウンの頻度が減り、低い回転数で快適に走行できるとしている。
Q8 sport conceptに搭載した駆動システムは、「8気筒エンジンに相当する性能と4気筒エンジンの燃費効率を両立した」(アウディ)という。走行距離100km当たりの燃料消費を1l削減した。同モデルに搭載する容量85lの燃料タンクで1200km以上を走行可能としており、燃費は14km/l以上となる。
今回のガソリンエンジンとマイルドハイブリッドシステムの組み合わせは今後多くのモデルに展開していくとしている。
Q8 sport conceptはフルタイム四輪駆動システムを採用。ダンパーコントロール機能付きのエアサスペンションを搭載しており、走行条件に合わせて最低地上高を90mmの範囲で5段階に調整できる。
外形寸法は全長5020×全幅2050×全高1700mmだが、乗車定員は4人。ホイールベースは3000mmあり、人数分の大型スーツケースを積載できるラゲッジスペースを確保した。
外観デザインは、従来モデルよりも幅を広げた8角形のシングルフレームグリルや、両側の大きなエアインレット、1980年代に投入した四輪駆動モデル「quattro」をほうふつとさせる幅広のCピラーや力強く膨らんだショルダー部分を特徴としている。
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