パナソニックは、「Wonder Japan Solutions」において、空港などでの荷物運びに利用できる「追従走行カートロボ」のデモを披露した。現時点では開発コンセプトの段階で、顧客やパートナーからの意見を反映し、早ければ2018年にも実証試験を実施したい考え。
パナソニックは、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年以降の社会インフラ構築に向けた開発中の技術やソリューションを提案する内覧会「Wonder Japan Solutions」(同年2月14〜17日、パナソニックセンター東京)において、空港などでの荷物運びに利用できる「追従走行カートロボ」のデモを披露した。現時点では開発コンセプトの段階で、顧客やパートナーからの意見を反映し、早ければ2018年にも実証試験を実施したい考え。
同内覧会では、東京オリンピック・パラリンピックに向けて増加するインバウンド需要に対応すべく、さまざまな空港向けソリューションを披露。その中で、障害者や高齢者など移動に支障のある旅客(PRM:Passengers with Reduced Mobility)向けの移動手段として、WHILLの車いす型移動支援ロボット「WHILL NEXT」を展示した。
WHILL NEXTはWHILLとパナソニックが共同開発した衝突防止用のレーザーレーダーを2個搭載している。デモでは、WHILL NEXTに乗車したユーザーが空港内の目的地に向かう際に、追従走行カートロボがWHILL NEXTに追従して荷物もいっしょに運ぶという内容になっていた。
追従走行カートロボは、周囲360度をセンシングできるように、WHILL NEXTと同じ技術を用いたレーザーレーダーを5個搭載した。追従対象の認識、空港内における自身の位置認識も全てレーザーレーダーで行っている。実証実験に向けて、今後は追加のセンサーが必要かなどの検討も進めていく。
なお、こういった荷物を運ぶ追従タイプのロボットにはZMPの「CarriRo」などがある。これらに対して追従走行カートロボは、「空港に備え付けられているスーツケース用カートや買い物用カートは、従来通り手動で使う利用客もいるだろう。追従走行カートロボであれば、それらのカートをそのまま活用する形で、PRM向けの取り組みを進められる」(パナソニックの説明員)としている。
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