慶應義塾大学 理工学部 桂研究室が開発した書道ロボットは、人が筆で書いた文字を、形状や筆圧などまで忠実に再現できる。接触を伴う動作の保存と再現を実現するモーションコピーシステムを利用したもので、ロボットによる人の動きの再現や、ロボットを介したトレーニングなどに応用できるという。
2015年2月12〜13日に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が開催した「NEDO FORUM」において、人が筆で書いた文字を形状や筆圧などまで忠実に再現する書道ロボットが展示されていた。慶應義塾大学 理工学部 桂研究室が開発した接触を伴う動作の保存と再現を実現するモーションコピーシステムを利用したもので、ロボットによる人の動きの再現や、人から人へのロボットを介したトレーニングなどに応用できるという。
桂研究室が展示した書道ロボットは、柄の部分がマスタシステム、毛の部分がスレーブシステムと接続されている。柄の部分を持って文字を書くと、動作の位置情報や力情報を電気信号へと変換し保存する。この保存された電気信号を基に、ロボットが人の動きを再現するという仕組みだ。
書道ロボットは、筆の動きだけでなく筆圧も再現が可能だ。しかし、圧力センサーなどは搭載されておらず、モーター内を流れる電流値と動作の位置情報を基に、筆圧を推定している。こうした方法を利用することで、圧力センサーなどを利用する場合と比較して、微細な振動などをより高精度に取得できるという。
桂研究室は、このモーションコピーシステムについて「これまで定量評価することが難しかった熟練技能の保存/伝承や、ロボットへのスキルの転写が可能になる他、工場向けのマニピュレーターなどにも応用できる」としている。
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