2020年に「ロボットオリンピック」開催、「ロボット革命実現会議」議論まとめるロボット革命実現会議

経産省は開催していた有識者会議「ロボット革命実現会議」の議論結果を公開した。戦略実行の組織設立やロボット開発拠点の設置、ロボットオリンピックの開催など、意欲的な提言内容となっている。

» 2015年01月23日 19時08分 公開
[MONOist]

 経済産業省は2015年1月23日、「日本再興戦略」改訂2014で掲げられた「ロボットによる新たな産業革命」の実現に向けて開催していた有識者会議「ロボット革命実現会議」の議論結果を公開した。ロボット開発拠点の設置、横断プロジェクトの設立、ロボットオリンピックの開催など、意欲的な提言内容となっている。

 少子高齢化や生産年齢人口の減少など社会問題が横たわる中、ロボットはその問題解決に寄与すると言われており、ロボット革命実現会議は三菱電機相談役の野間口有氏を座長に、技術開発や規制改革、標準化等の具体策を検討してきた。

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 産業ロボット関連企業や学識経験者だけではなく、サービス業(ホテル「加賀屋」の小田真弓氏)や政界(神奈川県知事の黒岩祐治氏)、ロボットベンチャー(アスラテックの吉崎航氏)など、幅広い分野からの人選が行われていた会議が結論として提出した要点は次の3つ。

  • 日本を世界のロボットイノベーション拠点とする「ロボット創出力の抜本強化」
  • 世界一のロボット利活用社会を目指し、日本の津々浦々においてロボットがある日常を実現する「ロボットの活用・普及(ロボットショーケース化)」
  • ロボットが相互に接続しデータを自律的に蓄積・活用することを前提としたビジネスを推進するためのルールや国際標準の獲得等に加え、さらに広範な分野への発展を目指す「世界を見据えたロボット革命の展開・発展」

 これら方針の実行に際して、横断プロジェクトとして設立を提言されているのが「ロボット革命イニシアティブ協議会」だ。

 協議会ではロボットにまつわる需要供給の調整、国際標準の立案、セキュリティへの対応、導入事例の共有、国家研究機関の積極利用などを通じて、「日本を世界一のロボットイノベーション拠点とし、社会変革に繋がるロボットを次々と創出できるような体制、環境整備」(報告書より)を整備する。環境整備の一環として、福島県に陸海空の各フィールドを備えた「福島浜通りロボット実証区域」も設立する。

 ロボットの活用分野としては「ものづくり」「サービス」「介護・医療」「インフラ・災害対応・建設」「農林水産業」「食品産業」の5分野を特定し、それぞれに2020年までのKPIを設定して政策資源も投入する。また、2020年までの5年間については政府による規制緩和も行うことで民間投資を募り、1000億円規模のロボットプロジェクトの推進を目指す考えだ。

 また、世界に向けた発信の場所として、2020年に「ロボットオリンピック(仮称)」を開催する。2016年までに具体的な開催形式・種目を決定するとともに2018年にはプレ大会を実施する計画だ。

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