HDRビデオカメラ搭載の眼科用3次元映像システム:医療機器ニュース
日本アルコンは、硝子体手術向けの眼科用3次元映像システム「NGENUITY 3D ビジュアルシステム」の国内販売を開始した。世界初のHDRビデオカメラを搭載した眼科用リアルタイム映像システムだ。
日本アルコンは2017年1月23日、硝子体手術向けの眼科用3次元映像システム「NGENUITY 3D ビジュアルシステム」(NGENUITY)の国内販売を開始した。世界初のHDRビデオカメラを搭載した眼科用リアルタイム映像システムで、本体価格は1500万円(税別)となる。
NGENUITYは、3DビデオHDRカメラで撮影した映像を高速で最適化する。デジタル高解像度3D 4Kモニターと専用の偏光メガネを用いることで、繊細な眼底組織を鮮明かつ奥行きを持って表現でき、精度・深度・細部にこだわった鮮明な3次元映像を取得できる。
また、デジタルフィルター機能を使用したカラーコントラスト調整により、手術ごとに映像をカスタマイズできる。例えば、染色された増殖膜を強調して表示することも可能だ。従来の光学顕微鏡では、角膜、水晶体、硝子体の混濁によって医師の視界が遮られたり、眼球内の照明用として使用される光ファイバーのまぶしさや影などによって網膜周辺部が見えにくくなったりしていた。NGENUITYのデジタルフィルター機能は、これらの課題に対応する。
さらに、光学顕微鏡と比較して低光量でも高度な映像処理が可能だ。これにより、医師へより良い手術環境を提供できると同時に、術中の患者のまぶしさや光暴露による黄斑部への影響を軽減できるとしている。
「NGENUITY 3D ビジュアルシステム」
- 眼内圧の変動をモニタリングするシステム、白内障手術のリスクを低減
日本アルコンは、白内障の手術に使用する灌流(かんりゅう)の圧力を自動的にモニタリングするシステムを開発した。眼内圧の変動による術中のリスクを低減する。
- 顕微鏡で見ている映像をフルHDで撮影、ソニーのビデオカメラ
ソニーは、眼科検査用の顕微鏡に取り付け、医師が見ている映像をフルHDで撮影するビデオカメラを発売する。角膜や水晶体などの映像を高精細に映し出すことができるので、検査や治療の他、研修や研究などの用途にも役立つとしている。
- 眼の視感度を測定するマイクロペリメータを発売
ニデックは、網膜の黄斑部とその周辺の視感度を測定し、同一部位のカラー眼底画像との合成によって視感度をマップ表示する、マイクロペリメータを発売した。同社の従来機に比べ、最大刺激輝度と視感度の測定範囲が拡大し、検査性能が向上した。
- 最短約3秒の検査で網膜の血管形態を描出する画像処理技術
キヤノンは、造影剤を用いず、最短約3秒の検査で網膜の血流の状態を可視化し、血管形態を描出する画像処理技術「OCT Angiography」のオプションソフトウェアを発売する。高画質での3D表示が可能で、眼底疾病の応用検査への活用が期待される。
- 眼球内の血管が自発的に退縮するメカニズムを解明
慶應義塾大学は、マウスを用いて硝子体血管を明瞭に可視化する技術を確立し、血管が自発的に退縮するメカニズムを明らかにした。この研究成果は先天性眼科疾患の病因解明や、腫瘍を血行不全に陥らせる新しいがん治療法の開発にもつながるという。
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