第4次産業革命を支えるIoTプラットフォームって結局何なの?:いまさら聞けない第4次産業革命(10)(4/4 ページ)
こんなにいろいろあるんですか。もっと簡単にならないんですかね。
そもそも、IoTプラットフォームが生まれてきたのはこうした仕組みを簡単にするためのものよ。それこそ最初からシステムを作っていたらプラットフォーム選定の比ではないくらい大変よ。
IoTの効果を実現するためには必要な情報を取得するセンサーデバイスと、これらのデータを送る通信機能、送ったデータを収集し保存するデータストレージ、集めたデータを処理する演算能力を持ったプロセッサなどがまずはハードウェアとして最低限必要になります。
ただ、これらのIoTエッジデバイスから生み出されるデータは、個々の現場に最適化されたもので、組み合わせて利用することを想定していません。また、機器やシステムに導入されているアプリケーションソフトウェアも同様です。さらに、こうしたデータを一元的に分析や解析するためのビッグデータ分析専門のソフトウェアやアプリケーションも必要となります。
IoT活用の第一段階とされている「見える化」を実現するだけでも、最低限レベルでこれだけのことを選択し、実行していかなければなりません。こうした作業や選択を軽減するために生まれてきているのが「IoTプラットフォーム」といえるでしょう。
第4次産業革命は現在進行形といったけど、IoTプラットフォームもまさに同じよ。今後はもっとカバー範囲が広がったり、連携が進んで、簡単に開始できるようになるかもしれないわよ。
ああ、早くそうなって欲しい。そこまで待てるかなあ。
さて今回は、雨後のタケノコのように生まれている「IoTプラットフォーム」について紹介しました。次回は、第4次産業革命の全体像を描こうとしている「リファレンスアーキテクチャモデル」の動向についてまとめたいと思います。
連載「いまさら聞けない第4次産業革命」の目次
- なぜ第4次産業革命を推進する団体が乱立しているの?
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。しかし、そこで語られることは抽象的で、いまいちピンと来ません。本連載では、そうした疑問を解消するため、第4次産業革命で起こることや、必要となることについて分かりやすくお伝えするつもりです。第4回では、各地で増える第4次産業革命推進団体について紹介したいと思います。
- IoTで新たに日米連携、日独米の協力体制構築へ
日本の「IoT推進コンソーシアム」が米国のインダストリアルインターネットコンソーシアムとオープンフォグコンソーシアムと提携することで覚書を結んだ。既に協力体制構築を進めているドイツとの関係も含め、日独米の先進団体が連携し、IoTの価値実現に向けて取り組みを進めていく方針だ。
- 「ソニーも最初は町工場だった」IoT革新は中小製造業が起こす
米国大手企業が中心となって設立し、現在では世界各国の企業が200社以上参加するインダストリアルインターネットコンソーシアム(IIC)。産業用IoT(IIoT)の社会実装を目指す同グループは何を目指し、どういう取り組みを進めているのだろうか。エグゼクティブディレクターであるリチャード・ソーレイ氏に話を聞いた。
- 第4次産業革命って結局何なの?
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。しかし、そこで語られることは抽象的で、いまいちピンと来ません。本連載では、そうした疑問を解消するため、第4次産業革命で起こることや、必要となることについて分かりやすくお伝えするつもりです。第1回目はそもそもの「第4次産業革命とは何か」を紹介します。
- ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【前編】
「インダストリー4.0(Industrie 4.0)」という言葉をご存じだろうか? 「インダストリー4.0」は、ドイツ政府が産官学の総力を結集しモノづくりの高度化を目指す戦略的プロジェクトだ。インダストリー4.0とは何なのか。同プロジェクトに参画するドイツBeckhoff Automationグループに所属する筆者が解説する。
- 第4次産業革命、2030年に日本の製造業が“あるべき姿”とは?
第4次産業革命にどう立ち向かうべきか。安倍政権における「ロボット新戦略」の核として取り組みを進める「ロボット革命イニシアティブ協議会」で、製造業のビジネス革新をテーマに取り組む「IoTによる製造ビジネス変革WG」が中間とりまとめを公表。日本の製造業の強みである「人」や「現場力」を生かしつつIoTなどを取り込む上での論点をまとめた。
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