アスクは、グラフィソフトの建築用BIMソフト「ARCHICAD」の3Dデータを使って、施工前に設計内容をVR空間で体験できるデモを披露した。
現時点ではARCHICADの3DデータをそのままVRで表示することはできない。デモでは、UnityでVR表示するための3Dデータ変換をアスクが行っている。またデモでは実施していないが、「Cinema4D」によるフォトリアルなテクスチャ表現も可能だという。
アスクが手掛ける事業は、ソフトウェア販売ではなくハードウェア販売だ。ARCHICADの3DデータのVR空間向け変換サービスは、VR対応のハイエンドPCやHTC Viveなどのハードウェアの販促を目的としたものだという。
レノボ・ジャパンは、同社のVR対応ハイエンドPC「Think Station」による、福井コンピュータアーキテクトの建築用BIM「GLOOBE」のVR体験デモを実施した。
GLOOBEは、作成したBIMモデルをVR表示用に変換する機能を備えている。その変換データを専用ソフト「GLOOBE VR」で表示すれば、BIMモデルをVR空間でリアルに体験できる。
なおレノボ・ジャパンの説明員によれば、「VR表示を行うPCは熱対応が重要になる。当社のThink Stationは、同性能の他社PCと比べて冷却ファンの数が2分の1で済むような構造になっており、より静音で故障しにくい」としている。
フランスのルミスカフ(Lumiscaphe)は3D CADデータをVR空間内で滑らかに表示する製品群を披露した。
同社は、さまざまなベンダーの3D CADデータを、DAM(デジタルアスペクトモックアップ)としてフォトリアルに表現できることを特徴としている。機能的には、先述したオートデスクのVREDの競合に当たる。「特徴はGPUレンダリング。VR空間では、3D表示のフレームレートが重要になるが、その場合にGPUレンダリングが効果を発揮する」(同社の説明員)。なお、デモにおける片眼当たりのフレームレートは80fpsだという。
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