製造業や建築業向けの“プロフェッショナルVR”、NVIDIAイベントで各社がデモVRニュース(1/2 ページ)

VR(仮想現実)を製造業や建築業向けに応用する“プロフェッショナルVR”のイベント「NVIDIA Pro VR Day 2017」の展示コーナーでは、各社がVR体験デモンストレーションを実施した。

» 2017年02月06日 11時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 NVIDIAは2017年1月26日、東京都内でイベント「NVIDIA Pro VR Day 2017」を開催。VR(仮想現実)を製造業や建築業向けに応用する“プロフェッショナルVR”に関する講演や展示が行われた。本稿では、展示コーナーのVR体験デモンストレーションについて紹介する。

 なお、これらのVR体験デモで使用されていたハードウェアは、NVIDIAのグラフィックスボード「Quadro P6000」もしくは「Quadro P5000」を組み込んだ高性能PCと、VRシステムはHTCの「HTC Vive」による基本構成となっている。

VR空間で複数人が同時参加できる自動車のデザインレビュー

 SCSKは、オートデスクの3Dビジュアライゼーションソフトウェア「VRED」を用いて「VR空間で複数人が同時参加できる自動車のデザインレビュー」を披露した。

SCSKの「VRED」用いたVRのデモ自分以外のユーザーは人の顔を模したアバターによって確認できる SCSKの「VRED」用いたVRのデモ。「HTC Vive」を装着した2人のユーザーが、車両のデザインデータ内の運転席と助手席に座ってデザインレビューを行っている(左)。自分以外のユーザーは人の顔を模したアバターによって確認できる(右)(クリックで拡大)

 VREDは、モデリングツールなどで作成したデザインデータを、シェーダーなどを使ってフォトリアルに表現できるソフトウェアだ。デモでは、HTC Viveを装着した2人のユーザーが、同じVR空間の中で1つの車両のデザインデータを共有して、その車両の外装や内装のデザインを評価する「デザインレビュー」を実行できるようになている。

 オートデスクは、2人までVR空間を共有できるVREDのユーザー向けカスタムスクリプトを公開している。しかし3人以上についてはこのカスタムスクリプトでは対応していない。そこでSCSKは、イントラネットワークで接続していれば3人以上でもVR空間を共有できるソリューションを開発した。「今のところ4人までは接続可能なことを確認している。既に販売も可能な状態」(SCSKの説明員)という。

ゲームエンジンで作成したキッチンをVR空間で体験

 ボーンデジタルは、ゲームコンテンツなどの3D空間の作成に用いられるAllegorithmicのソフトウェアで設計した住宅のキッチンをVR空間で体験できるデモを行った。

ボーンデジタルの住宅のキッチンをVR空間で体験できるデモ3D空間はAllegorithmicのソフトウェアで作成した ボーンデジタルの住宅のキッチンをVR空間で体験できるデモ(左)。3D空間はAllegorithmicのソフトウェアで作成した(右)(クリックで拡大)

 VRの3D空間は、「Unity」「Unreal」などのレンダリングエンジンを使って表現されることが多い。Allegorithmicのソフトウェアはその際に広く使用されるPBR(物理モデリング)テクスチャを軽量に作成できることを特徴としている。

 また、「VRED」による自動車のデザインレビューや、ハイエンドコンテンツの表示を劣化させずにポリゴン数を3分の1〜4分の1に減らしてミドルレンジのPCでも扱えるようにするフランスPixiesのソフトウェアも展示した。

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