転職サービス「DODA(デューダ)」が「転職市場予測 2017上半期」を発表。転職市場の求人数は、2016年下半期の高い水準のまま、緩やかに上昇を続けると見られる。また、11の業種・職種について求人の動向を示した。
インテリジェンスが運営する転職サービス「DODA(デューダ)」は2017年1月9日、「転職市場予測 2017上半期」を発表した。11の業種・職種について、2017年上半期(1月〜6月)の転職市場を予測したものだ。
上半期の転職市場における求人数は、11分野のうち「上昇」が3分野(電気・機械/営業/クリエイティブ)、「緩やかに上昇」が5分野(IT・通信/化学・素材/建築・土木/人事・経理・法務/企画・マーケティング)、「横ばい」が3分野(金融/メディカル/販売・サービス)となっており、2016年下半期の高い水準のまま、緩やかな上昇が続くと見られる。
企業の人材不足感は引き続き高く、製造業の中には、次年度の予算を繰り上げて採用を前倒しで進める企業もある。また、テクノロジーによる省力化や生産性改善が、あらゆる分野で図られており、これまでになかった新たな仕事や役割へのニーズも生まれている。
「IT・通信」分野は、SIer・ITコンサルティング会社のシステム開発の受託案件数が、金融、流通・小売などの業界、公共系プロジェクトを中心に順調に推移している。求人数は、2016年からの高い水準のまま、緩やかに増加する見込みだ。
また、製造各社の生産部門で、人工知能(AI)、自動運転、IoT(モノのインターネット)技術の研究職の募集が増えている。社内システムの保守・ベンダー管理を担う社内SEの募集や、新規事業/サービスの企画・開発に向けたエンジニアの求人ニーズも多い。
「電気・機械」分野は、モノづくりエンジニアの求人数が増加しそうだ。特に自動車業界で求人ニーズが加速する。また、組み込み・ソフトウェア系のエンジニアのニーズがよりいっそう高くなってきている。メーカーが「工場のスマート化」に力を入れ始めていることから、生産技術開発の技術者をはじめ、生産のプロセス全体や設備に詳しいモノづくり系エンジニア、工場内の設備をつなげて管理するシステムを設計するIT系エンジニアが求められている。ビッグデータからのさらなる効率化を目指す動きから、特にデータサイエンティストやAI開発経験者の市場価値が上がっている。
「化学・素材」分野は、メーカー各社が自動車関連の各種素材開発に投資していることから、化学系エンジニアの求人数は緩やかに増加すると見込まれる。金属、建材の求人も堅調だ。
「建築・土木」技術者の求人数は、これまでの高い水準を維持しながら、さらに少しずつ増えていくと予測される。大規模インフラの老朽化対応、既存物件のメンテナンス・リフォームなど工事案件が増えており、業界は慢性的に人材不足の状態だ。ICT技術の活用や重機のICT化など省力化が進んできてはいるものの、それらを導入する経験者がいないため、ICTについてあまり知識がない人も、建築・土木技術の経験があるなら、今がチャンスと言える。
「金融」業界は、個人顧客への投資コンサルティングや、フィンテックサービス関連で力を発揮できる人材のニーズが高まると見られる。業界全体では大きな増減なく求人数が推移しそうだ。
「メディカル」分野で求人数が多いのは、MR、臨床開発、研究職、医療機器営業の4職種。研究職は主にバイオベンチャーで求人が増えている。
「営業」分野は、ここ数年、求人が増加傾向にある。第二新卒からミドル層まで幅広く求められているため、希望の転職をかなえやすい環境と言える。営業職のニーズはほとんどの業界で高まっているが、特に人材サービス、アウトソーシング企業でニーズが高い。
「人事・経理・法務」分野は、いずれも求人ニーズが高く、今後も高水準を維持すると考えられる。それぞれの管理部門におけるコアスキルとともに、業務プロセスを効率化したり、改善の仕組みを立案したりとビジネス観点を持つ人材が求められている。
「企画・マーケティング」分野は、求人数が緩やかに増加しそうだ。経営企画、事業企画を中心とした企画職の重要性が増しており、企業同士のアライアンスを推進した経験や、自身が主体的に新規事業を立ち上げた経験が評価される。マーケティング職は、リサーチ部門でのデータサイエンティストやWebマーケティング担当者の求人が増えていく。ビッグデータを活用し、事業の成長や商品・サービス企画に有効に使える人材のニーズが高まっている。
「販売・サービス」分野は、高い求人ニーズを維持したまま推移する見込みだ。特に小売・外食業界に求人が多い。また、小型スーパー、コンビニエンスストア、家電量販店、ドラッグストアなどの専門店で求人が増加している。
「クリエイティブ」分野は、求人数が増加する見通しだ。求人の約6割がWeb系で、WebプロデューサーやWebディレクター、Webデザイナーが中心となっている。Web編集・コンテンツ企画の求人も増えている。また、このところ動画制作の求人ニーズが急速に高まっている。
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