インドに残る混沌と、次第に浸透する欧米流ライフスタイル新興国自動車事情(5)(3/4 ページ)

» 2017年01月23日 06時00分 公開
[古庄速人MONOist]

人いきれに満ちた路上風景

 旧市街のオールドデリーやその近隣を歩いてみると、ニューデリーとはまったく異なった風景が広がります。通りを行き交うのは人と三輪自転車、そしてモーターサイクル。リヤカーでやってきて、そのまま露店として営業する人も多数です。小回りの利かないクルマはどちらかといえば疎ましい存在で、クラクションを鳴らしながらも最徐行でソロリソロリと通り抜けることになります。

混沌とした旧市街。庶民が買い物する店が立ち並び、活気に満ちている。三輪自転車は人も荷物も運べる重要なモビリティだ(クリックして拡大)

 オールドデリーの雰囲気を色濃く残す街区とニューデリーの境界あたりには、デリー中央駅があります。多くの都市の中央駅と同様に、地方と首都を結ぶ動脈としての機能を持っているだけに、大変な賑わいを見せていました。大きな荷物を抱えた人が行き交う様子は、ターミナルとしての機能が果たされていることを理解させます。

大きな荷物を抱えた人が行き交い、にぎやかなデリー中央駅前(クリックして拡大)

 駅前にはバス停もあるものの、バスターミナル等があるわけではありません。オートリキシャーやタクシーといった公共交通のエリアと、一般車両のエリアが分けられてはいるものの、結局は混在してあまり意味を成さなくなっています。駅前広場の外縁にあるバス停への歩行者の動線もしっかり確保されているとはいえず、全体的に整備が追い付いていない印象です。

駅前から安宿街へ伸びる道路。信号などなく、牧歌的な雰囲気だ 駅前から安宿街へ伸びる道路。信号などなく、牧歌的な雰囲気だ(クリックして拡大)

 ちなみに駅構内ですが、広い券売所には電光掲示板が設置され、列車やプラットフォームの確認は容易です。ただし、プラットフォームへ上がるには手荷物チェックを受けなければならないので長い行列ができていました。安全確保のためには仕方ないのかもしれませんが、利便性を損なっているように感じました。

中央駅の切符購入フロア。窓口には長い行列ができている。近郊路線なら自動券売機で購入することもできるが、利用する人は少ない。列車の発車時刻とプラットフォームは電光掲示板で確認できる(クリックして拡大)
プラットフォームへ行くには、空港と同様の手荷物チェックを受けなければならず、ここでも長い行列ができる(クリックして拡大)

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