東京海上日動火災保険は、通信型ドライブレコーダーを貸与する自動車保険特約を開始する。事故が発生した場合、映像を活用した示談交渉や自動通報に対応する。ドライブレコーダーはパイオニアと共同開発したもので、パイオニアの「事故リスク予測プラットフォーム」を活用して、事故発生の可能性が高い場合に注意喚起する機能も備えている。
東京海上日動火災保険は2016年11月25日、同社の自動車保険加入者向けに通信型ドライブレコーダーを貸与する特約を開始すると発表した。事故が発生した場合に映像を活用した示談交渉や自動通報に対応している。ドライブレコーダーはパイオニアと共同開発したもので、特約保険料はドライブレコーダーの通信料込みで月額650円。2017年4月からサービスを開始する。
パイオニアが開発した「事故リスク予測プラットフォーム」を活用して、事故発生の可能性が高い場合に適切な場所とタイミングで注意喚起する機能も備えている。
東京海上日動火災保険は、ドライブレコーダーが業務用だけでなく一般のドライバーにも浸透していることを踏まえ、サービス向上のためにドライブレコーダーを活用した特約「ドライブエージェント パーソナル」を用意した。NTTドコモの通信回線を利用した常時通信が可能なドライブレコーダーを保険加入者に貸与する。
ドライブエージェント パーソナルのドライブレコーダーは、事故発生時に記録した映像を示談交渉に活用する他、LTE通信機能を利用し、強い衝撃を検知した場合の自動通報による事故受付や映像の自動送信が可能となっている。カメラはフルHD(約200万画素、画素数1920×1080)で映像を記録する。
事故発生直後には、東京海上日動火災が提携している警備会社のオペレーターとドライブレコーダーを通じて通話することが可能で、必要に応じて警備会社から消防への連絡も行う。
同特約のドライブレコーダーは、事故発生時だけでなく日常的な運転支援にも対応している。パイオニアが開発した事故リスク予測プラットフォームから、ドライブレコーダーに事故の注意喚起情報を配信する。
事故リスク予測プラットフォームは、信号やカーブや交差点といった地図情報に、パイオニアが収集/蓄積してきたプローブデータ、急減速多発地点の情報、天候や時間帯、車両の走行速度などさまざまな要因を組み合わせて、総合的に事故や危険の可能性を予測する。自車位置の測位はGPSとGLONASS(グロナス)で行う。
ドライバーの走行速度などの状況に合わせて「およそ200m先、出会い頭事故多発地点です。速度を落としましょう」などとアナウンスする。天候や時間帯の他、信号の有無やカーブなどを考慮し、事故防止に効果の高い事故リスク地点を優先して配信する。
広角カメラで撮影した画像を解析し、車線内を片寄って走行したり車線を逸脱した場合にドライブレコーダーから音声メッセージなどで警告する。また、ドライブレコーダーに搭載した加速度センサーとジャイロセンサーが急ブレーキや急発進、急ハンドルを検知するとドライバーに注意喚起する。
通信機能を利用した機能のアップデートも予定している。東京海上日動火災保険は2017年10月に前方車両の接近を警告する機能をリリースする。
パイオニアは、事故リスク予測プラットフォームとドライブレコーダーを活用して、自動ブレーキなど先進運転支援システムを搭載していない車両に対して事故を未然に防ぐシステムを普及させていきたいと考えている。事故リスク予測プラットフォームは、東京海上日動火災保険に限らず、幅広い自動車関連サービス事業者に提案していく。日本だけでなく海外での展開も視野に入れる。
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