トヨタ自動車は、「第7回国際自動車通信技術展」において、法人向けのリース車両に展開するテレマティクスサービス「TransLog(トランスログ)」を展示した。同サービスはドライブレコーダーとGPSアンテナ、通信ユニットなどを車両に搭載する。記録した危険運転の映像は、ユーザーの法人から許可を得てビッグデータとして活用していく。
トヨタ自動車は、「第7回国際自動車通信技術展」(2016年3月16〜18日、東京ビッグサイト)において、法人向けのリース車両に展開するテレマティクスサービス「TransLog(トランスログ)」を展示した。同サービスはドライブレコーダーとGPSアンテナ、通信ユニットなどを車両に搭載し、運行管理、危険運転時の警告や挙動の記録、各車両の燃費の管理などの負担を軽減する。記録した危険運転の映像は、ユーザーの法人から許可を得てトヨタ自動車のビッグデータ活用基盤に収集。車両のナンバーや歩行者など個人を特定できる情報を消す処理を施した上で、自動運転向けの高精度地図の作成や、事故が起きやすい道路構造の改善に活用していく。
トランスログは2016年1月から提供を始めたサービスで、トヨタレンタリースの法人向けリース車両にオプション設定で搭載できる。運行管理の効率化や燃料費の削減、危険運転の指導といった企業のニーズに対応する。
トランスログは、従来のトヨタレンタリースの運行管理サービスにはなかったドライブレコーダーを新たに採用した。トランスログの車載器に搭載した加速度センサーが運転中の急加速や急ブレーキを検知すると、急な加減速の前後を含めた20秒間の映像を記録し、運行管理者がオンライン上で確認できるようにする。
さらに、燃料費の削減では自動車メーカーが開発する強みを生かしている。これまで他社では、車両整備に用いるOBD IIインタフェースに機器を接続して車両情報を取得し、燃費を解析する機能が提供されてきた。しかし、日本自動車工業会は本来の用途以外でのOBD IIインタフェースの使用に難色を示している。このため、トランスログは、エンジン制御用のECUとつながるワイヤーハーネスにトランスログの配線を接続、CANデータから燃料噴射量を取得するようにし、OBD IIインタフェースを使用せずに正確な燃費の管理を可能にする。ECUの制御に影響しない形で燃費管理用の配線を行う。
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