現時点では、コネクテッドカーの通信接続の要となる車載情報機器については、日産自動車が「Nissan Connect」、インフィニティが「Infiniti InTouch」、ルノーが「R-Link」などを展開している。これらは共通のプラットフォームにはなっていない。
レドジク氏は、「コネクテッドカーに必要なバックエンドインフラとなるクラウドや、車両に搭載する車載情報機器のプラットフォームを、ルノー日産の全てのブランドで共通化する」と明言した。クラウドについては、2016年9月に提携を発表したマイクロソフト(Microsoft)の「Azure」を採用。ルノー日産の車両から得られる全てのデータを一元管理し、データ分析やサイバーセキュリティについても、1プラットフォームで対応できるようになるという。
また、車載情報機器のプラットフォームも共通化する。GENIVIアライアンスのフレームワークを採用する方針で、Linuxベースとなる計画だ。
ルノー日産のコネクテッドカーが1つのプラットフォームになることによって「顧客が車両を乗り替わっても同じサービスを提供できるし、デジタルキーの共有や、カスタマイズなども可能になる」(レドジク氏)としている。ただし、プラットフォームを統一するタイミングについては「今は言えないが、それほど遠い将来ではない」(同氏)と言うにとどめた。
コネクテッドサービスについては、最適経路案内や車両遠隔制御など、一般的に想定される7種類の例を示した。ただしルノー日産から提供する具体的なサービスについては今後発表していくとしている。レドジク氏は「ルノー日産としては、これらのコネクテッドサービスを高級車だけに提供することは考えていない。コネクティビティ・フォー・オールの考え方で、全てのクルマに提供していく」と強調する。
同氏は先述した通り、コネクテッドサービスの後にモビリティサービスが来るとしている。今回の会見では、モビリティサービスの具体的内容や開始時期についても「現時点では発表できない」(同氏)とした。ただし「モビリティサービスで重要な役割を果たす自動運転については、ルノー日産は良いポジションを得ている。これに電気自動車とコネクテッドカーを組み合わせれば、必ず良いサービスを提供できるだろう」ともしている。
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