経産省などが主導するロボット革命イニシアティブ協議会の中で、中堅中小企業に対するアクショングループが始動した。規模の問題からIoT活用に二の足を踏む中堅中小企業を支援し、中小企業発の新たな革新創出を目指す。
経済産業省(経産省)などが主導するロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)の中で、中堅中小企業に対するアクショングループ(AG)が2016年10月18日に第1回会合を実施し、活動を開始した。
政府が示す「ロボット新戦略」を実現する組織として2015年5月に発足したロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)。同協議会は、3つのワーキンググループ(WG)で活動を進めているが、製造業におけるビジネス革新を取り上げているのが、WG1の「IoTによる製造ビジネス変革WG」である※)。
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そのWG1の中で大きな課題とされているのが、中堅中小企業のIoT(モノのインターネット)活用の停滞である。中堅中小企業では、企業規模として財務力に制約がある点や、具体的にIoTで何をやるべきなのか分からない点、これらを実現するのに必要な人材がいない点などが障壁となり、IoT活用に二の足を踏む企業が多い。こうした動きは日本に限ったものではなく、2016年4月に締結された日独のIoTおよびインダストリー4.0に関する連携の中でも「中小企業に対するIoT利用の支援」は協力項目として挙がっている※)。
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ただ、製造業において中堅中小製造業はサプライチェーンの一翼を担う重要な存在である。インダストリー4.0などでは、描く姿を実現するためには「システムの垂直統合と水平統合が重要」とされているが、サプライチェーンを水平統合するためには、こうしたサプライチェーンを構成する中堅中小製造業もIoT活用ができているということが前提となる。そこで、政府でも中堅中小製造業のIoT活用は製造業全体に影響が及ぶ課題と捉え、支援を推進。そのため、従来サブWG(ワーキンググループ)としていた中堅中小製造業向けの取り組みを、アクショングループ(AG)として昇格しより具体的な活動を進めていくことを決めた。
AGになって第1回の会合は2016年10月18日に開催。サブWGでのこれまでの活動の振り返りと、今後の取り組みについて話し合った。AGの主査を務める法政大学 大学院 客員教授の松島桂樹氏は「アクショングループという名前には思い入れがある。実際に議論にとどまらず、アクションにいかに結び付けていくかということが重要だ」と語っている。
今までの活動としては、中堅中小企業における課題を整理するための調査や、それをもとにどういう支援を行えるか(行うか)を示したフローチャートの策定などを行った他、そこで見えてきた「11の対策」に向けた取り組みを実施してきたことを紹介した。11の対策は以下の通りだ。
これらの対策として、さまざまな取り組みを実現してきた。1つ象徴的な取り組みが中小企業に適したITツールの選定である。
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