一方、ドイツは、IoT活用など産業のデジタル化が進む中で「デジタル化への移行を成功裏に果たすことがドイツにとって国際競争力を高める上で不可欠である」(ドイツ連邦 経済エネルギー省 デジタル・イノベーション局長 ステファン・シュノア氏)とし、積極的にデジタル政策を進めてきた。
具体的には、ドイツは目的として「成長と雇用」「アクセスと参加」「信頼とセキュリティ」の3つのポイントを挙げる。さらに以下の通り、具体的な7つの活動領域を定めている。
これらのデジタル戦略の成果として、2015年にはインダストリー4.0のリファレンスアーキテクチャーモデルである「RAMI4.0」を作成※)。これらに沿った標準化などの推進をG20などを通じて訴えていくとしている。
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シュノワ氏は「デジタル移行を果たすために、IoTはカギとなる。IoTによるビジネス変革を推進し、ドイツをその中心地として、より多くの投資を呼び込みたい。そのためにはデータセキュリティの強化や教育などが必要となる」と述べている。
一方で、日独連携でも課題として挙がっている中小企業やスタートアップのさらなる参加については「中小企業に、新しい市場ととらえて、より積極的にデジタルプロセスにかかわってほしいと考えている。スタートアップ企業についても大手企業との協業の推進など支援を広げている」とシュノワ氏は語る。
ドイツ連邦政府では、IoTやインダストリー4.0の推進において、日本との連携だけでなく、米国や中国とも協力していく提携関係を構築しているが、今後はG7(主要7か国財務相・中央銀行総裁会議)やG20(20か国財務相・中央銀行総裁会議)などの枠組みに広げ、「全世界的な枠組み作りを進めていく」(シュノワ氏)としている。
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