東京大学は、木材などに描いた線や記号を認識し、コンピュータ数値制御(CNC)切削機への加工指示を自動作成するシステム「Draw2Cut」を開発。ペンの色によって切削加工の種類を決め、指示の描き方のルールも整えた。
東京大学は2025年4月25日、木材などに描いた線や記号を認識し、コンピュータ数値制御(CNC)切削機に対する加工指示を自動で作成するシステム「Draw2Cut」を開発したと発表した。
素材の上に線を描くと、線を認識して自動的に内部で設計図を作成し、加工指示を生成する。手で描いた線、記号、色を加工データに変換可能で、より直感的な表現も加工できる。ユーザーによって描き方が違うと、意図を正確に理解させることが難しくなるため、使用するペンの色によって切削加工の種類を決めるように定義付けた。
また、明確な機械指示を作成できるように、指示の描き方のルールも整備した。切削位置の精度、材料の厚みの影響、ペンストロークの最小実行可能サイズを評価する技術的検証も済ませ、レリーフや木材の接合部の作成など、さまざまな木工加工を試験したという。
機能面については、材料と生成された加工データのリアルタイム整合、検証用のプレビュー、カスタマイズ可能なオープンソースプラットフォームを備えている。
これまで、木材などの素材をCNC切削機で加工するには、CADソフトを使いこなす必要があった。しかし、材料のサイズや形状、材料と機械の相対位置などの測定やキャリブレーションが必要で、初心者にとってはCADを使いこなすのが難しかった。
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