トイレのスマート化から始められる!? IoT活用は「フェールファーストで実現を」製造業IoT(3/3 ページ)

» 2016年10月04日 11時00分 公開
[朴尚洙MONOist]
前のページへ 1|2|3       

最もクレームが多いトイレをスマート化する

 3つ目の「安心の見守り」は、介護施設における被介護者の見守りに用いるシステムだ。センサーには、インフィック・コミュニケーションズが開発した、睡眠時間や温度、湿度、運動量、照度などを検知できる「CareEye」を用いる。現在は、介護施設で実証運用中で、センサーデータによる見える化だけを行っている段階。今後は分析を用いた応用の段階に入りたい考えだ。

「安心の見守り」のデモ画面 「安心の見守り」のデモ画面(クリックで拡大)

 4つ目は「スマートトイレルーム」である。これは、施設の設備提供者にとって、最もクレームが多い設備の1つがトイレという事実が背景にある。水漏れ、汚れ、喫煙などさまざまなトラブルがあるものの、カメラでの監視ができず、早期発見が難しいため、最終的にクレームからトラブルが発覚するためだ。

設備としてのトイレの課題 設備としてのトイレの課題(クリックで拡大) 出典:ユニアデックス

 そこで個室トイレの扉の開閉データをリアルタイムに検知するシステムを構築。この開閉データから、個室トイレの利用時間、利用回数などを把握すれば、トラブル発見につなげられるというのだ。システム構成はかなりシンプルで、市販しているIoTスタートキットをほぼそのまま適用している。

「スマートトイレルーム」のシステム構成 「スマートトイレルーム」のシステム構成(クリックで拡大) 出典:ユニアデックス
「スマートトイレルーム」の管理画面 「スマートトイレルーム」の管理画面。「使用中」と「空室」という表示以外に、使用時間も赤い目盛で示されている。使用中の個室が10分経過するごとに目盛が1つ増加し、3目盛(30分以上)になると真っ赤になる。27階右側の個室2つがなかなかすごいことに……(クリックで拡大)

 ユニアデックスオフィスの男子用トイレで運用したところ、1人当たりの平均利用時間が約6分という結果が出た。一方、海の家の仮設和式トイレで運用したところ、1人当たりの平均利用時間は1分32秒だったという。「ビルの各階でどの個室が空いているかを確認できるなど、活用方法はいろいろある」(ユニアデックス)という。

「スマートトイレルーム」の結果 「スマートトイレルーム」の結果(クリックで拡大) 出典:ユニアデックス
前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.