3つ目の「安心の見守り」は、介護施設における被介護者の見守りに用いるシステムだ。センサーには、インフィック・コミュニケーションズが開発した、睡眠時間や温度、湿度、運動量、照度などを検知できる「CareEye」を用いる。現在は、介護施設で実証運用中で、センサーデータによる見える化だけを行っている段階。今後は分析を用いた応用の段階に入りたい考えだ。
4つ目は「スマートトイレルーム」である。これは、施設の設備提供者にとって、最もクレームが多い設備の1つがトイレという事実が背景にある。水漏れ、汚れ、喫煙などさまざまなトラブルがあるものの、カメラでの監視ができず、早期発見が難しいため、最終的にクレームからトラブルが発覚するためだ。
そこで個室トイレの扉の開閉データをリアルタイムに検知するシステムを構築。この開閉データから、個室トイレの利用時間、利用回数などを把握すれば、トラブル発見につなげられるというのだ。システム構成はかなりシンプルで、市販しているIoTスタートキットをほぼそのまま適用している。
ユニアデックスオフィスの男子用トイレで運用したところ、1人当たりの平均利用時間が約6分という結果が出た。一方、海の家の仮設和式トイレで運用したところ、1人当たりの平均利用時間は1分32秒だったという。「ビルの各階でどの個室が空いているかを確認できるなど、活用方法はいろいろある」(ユニアデックス)という。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.