ユニアデックスは、IoT(モノのインターネット)の活用に関する取り組みについて説明した。同社の山平哲也氏は、IoT活用のアプローチとして「Fail Fast(フェールファースト)で実現を」と説き、トイレの個室をスマート化する「スマートトイレルーム」などさまざまな活用シナリオ/デモを紹介した。
ユニアデックスは2016年9月28日、東京都内で会見を開き、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)の活用に関する同社の取り組みについて説明した。
同社は日本ユニシスのグループ企業として、IoT活用に向けた取り組みを強化している。2016年4月にIoT活用の早期実現を支援する場となる「IoTエコシステムラボ」を開設し、同年8月にはIoTの評価検証に必要なハードウェアやクラウドサービス、回線、IoT可視化ソフトウェアなどをパッケージ化した「IoTスタートキット」の販売を始めるなどしている。
ユニアデックス エクセレントサービス創生本部 プロダクト&サービス部 IoTビジネス開発室 室長の山平哲也氏は、国内のIoT導入が進んでおらず、IoT活用の成熟度も限定的なことを挙げた。山平氏は、同社でIoT活用支援に2年間取り組んできた結論として、「IoTプロジェクトの推進現場や編成では、顧客の視点とベンダーの視点、現場の視点や経営の視点の間でねじれが生まれている。さらに、ファクトに基づかないKKD(経験、勘、度強)といったコンテクストを重視する企業文化によって、ビッグデータ活用に踏み切れていない」と語る。
山平氏は、IoT活用のアプローチとして「Fail Fast(フェールファースト)で実現を」と説く。これはコンセプトの具体化/仮説の検証を素早く何度も繰り返す手法で、従来のITシステムにおけるウォーターフォール開発とは異なるアジャイル開発になる。
ユニアデックスはそのための実践の場として開設したのがIoTエコシステムラボだ。同ラボは「ビジネス共創」と「利活用検討」の場として提供され、その後のPoC(Proof of Concept)実証実験、スモールスタート、全社導入というプロセスを経てビジネス化につなげていく。
「ビジネス共創」の場では、約40社以上の共創パートナーとともに、IoT活用検討企業に向けた活用シナリオ/デモを創出し、リファレンスモデルを創り出すなどしていく。リファレンスモデルの創出は、2016年10月〜2017年1月までの期間で5つのテーマで進める計画だ。
「利活用検討」の場は、IoT活用検討企業も参加して、「ビジネス共創」の場で創出した活用シナリオ/デモを基に具体化を進める段階。IoTスタートキットは、この段階で利用できるパッケージになる。価格は39万8000円(税別、保守別)で「多くの顧客から引き合いをいただいている」(山平氏)という。
最終的なビジネス展開に向けては、親会社の日本ユニシスとともに、センサーなどのデバイス/ネットワークからデータ収集/加工/解析までをワンストップサービスで実現する「IoTビジネスプラットフォーム」を提供していきたい考えだ。
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