BAStは、アセスメントで目指す質、量のゴールとして、以下の3つの項目を提案している。1つ目は、システムの限界や、センサーが検出しにくい環境など技術的に安全とはいえない性能を明らかにすることだ。2つ目は不明瞭なドライバーの責任の範囲を明確化することで、3つ目は運転の権限の受け渡しなど、人間と技術の相互作用に関する設計で不十分な部分を洗い出すことである。さらに、自動運転システムによる安全の効果についても対象とする。
自動運転のアセスメントでは、故意の使い方も重視しなければならない。例えば、自動運転の自動化レベル2ではドライバーは継続的に周辺を監視するなど、ドライバーに期待される役割がある。ヒューマンエラーや、システムがドライバーに要求する能力、自動化レベル2を必要以上に試す誘惑といった面では、大きな違いが生まれる可能性がある。
この他、自動運転機能の技術的な限界を検証するテストの例も示した。アセスメントは、自動運転から手動運転に切り替える必要がある状況の境界線や、ごく少ない回避時間しか残されていない危機的な状況が急に発生した場合を対象にするべきだと提案している。
日常的な運転のうち、どの程度が自動運転によって運転されるのかも検討する必要があると紹介した。
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