イオンが無人運転バスを走らせるのは、公園の敷地内の端から端までの250mを往復するだけで来店客の動線とは無関係のルートだ。その上、有料なのでアトラクションのようにしか見えない。
当初イオン側が思い描いたルートはこれとは異なるものだった。
イオンの齊藤氏は「店舗前の道路から公園内まで、ぐるっと走らせたら面白いよねと社内で話が出ていた。しかし、警察に走行ルートを相談した時に、歩行者や一般車両と交錯する場合の安全は確保できるのかと指摘された。警察から“自動運転はダメ”と言われたわけではないが、安全確保が難しかったので公園の敷地のみに限定した。将来的には広い敷地のモール内を走らせたいと考えている」と述べた。
無人運転バスを運行させる範囲の拡大については未定だ。また、イオンモール幕張新都心周辺の駅から店舗までの輸送ではなく、あくまでイオン敷地内のサービス充実につなげる考えだ。
今回の試験運行では、「無人運転車が安全な乗り物であることを実感してもらえれば収穫だ。また、走行ルート周辺の安全確保は、今後のルート設定に生きる経験になるだろう」(同氏)。
小型で小回りの利く無人運転バスは、大型バスが進入できないショッピングモール内でのきめ細かいサービスに貢献すると齊藤氏は見込んでいる。
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