疲れ強さ660MPaを達成した高強度の焼結合金を開発FAニュース

NTNは、疲れ強さ660MPa(最大応力1467MPa)以上、面圧強さ2.3GPa以上を達成した高強度の焼結合金を開発した。従来は適用が限定的だった、歯車/ブッシュなどの切削加工が必要な機械部品の置き換えに対応できる。

» 2016年07月14日 07時00分 公開
[MONOist]

 NTNは2016年6月27日、密度7.6g/cm3以上、疲れ強さ660MPa(最大応力1467MPa)以上を達成した焼結合金を開発したと発表した。高強度を可能にしたことで、歯車/ブッシュなどの切削加工が必要な機械部品の置き換えに対応できる。

 焼結合金は、切削加工をせずに複雑な形状の部品を大量に生産できるため、自動車分野などで多く採用されている。しかし、従来の焼結合金製部品は、内部に空穴があるため、信頼性/疲労特性が低く、適用範囲が限定されていた。

 新製品は、独自の熱処理プロセスの採用により、歯元曲げ疲れ強さを同社従来焼結品比1.9倍の660MPaまで向上させた。これは、一般鋼材品並みの強さで、従来焼結品では不可能だった多くの鋼材製機械部品の置き換えが可能になるという。また、歯車の歯面強さの指標となる面圧強さは、従来焼結品比1.4倍の2.3GPa以上を達成した。

 同社では今後、機械部品の他に、樹脂部品/磁性部品と複合化したユニット・モジュール品へと適用範囲を広げ、自動車の低燃費化/電動化、産業機械部品の高性能化などを目指すとしている。

photo ギア 開発品

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