富士通は、デジタル生産準備ツール「FUJITSU Manufacturing Industry Solution VPS」の新バージョンを発売した。構成部品を形状イメージで確認でき、視覚的に組み立て手順を編集できる機能が加わり、設計変更対応機能も強化された。
富士通は2016年6月17日、製品の組み立てプロセス検討を3次元モデルで支援するデジタル生産準備ツール「FUJITSU Manufacturing Industry Solution VPS」(VPS:Virtual Product and Process Simulator)の新バージョンを発売した。
VPSは、CADで作成した製品の3次元モデルデータを活用して、製品レビューや製品組み立て時の工程検討といった生産準備の業務プロセス全体をカバーし、スムーズに量産立ち上げができるよう支援するパッケージソフトウェアだ。
今回の新バージョンでは、製品の設計CAD構成をVPSの組み立て構成へ作り変える作業において、これまでのように構成を変更させたい部品を品番表示するのではなく、1つ1つの部品を形状イメージで表示し、ユニット間の関係をチャートで表現する構成ブロック機能を追加。構成ブロック上で対象部品をドラッグ&ドロップで移動することで、構成および手順を視覚的に確認しながら編集できるため、大規模製品の組み立て構成の作成を効率化できる。
また、元の設計CADデータに変更が生じた場合、VPSに自動的に反映させる設計変更対応機能を強化した。処理時間を従来比100分の1に大幅短縮した他、製造ラインのレイアウトや工程検討を3次元で検証する「VPS GP4」では、作業者の昇降動作表現や作業者間の衝突確認ができるようになった。
さらに、閲覧機能も強化され、組み立て性検証を行う「VPS Manufacturing」「VPS組み立て動画」の工程フロー図(組立ブロック図)を、これまでのiOS端末に加えAndroid端末上でも閲覧可能になった。
価格(ネットワークライセンス料)は、基本モジュールである「VPS Digital Mockup V15L18」と組み立て性検証用の「VPS Manufacturing V15L18」がそれぞれ250万円、この2つをセットにした「VPS Standard V15L18」が400万円、製造ライン検討のための「VPS GP4 V11L15」が440万円(いずれも税別)となっている。
同社では、2018年度末までに売上50億円を目指すとしている。
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