ドローンワークスはドローンを製造販売するというよりも、基本的には産業用ドローンを構成する「素材」の提供を行うことに注力する。
具体的にはフライトコントローラー、ESC(モータードライバー)、バッテリーなど産業用ドローンを構成する電子機器がベースになる。もちろん、ソフト的な部分も共通化する必要が出てくる。こうした産業用ドローンを構成する「素材」についての研究開発や、利用する際のソフトウェア/サービスまでも含めて全体的に構想し、いわば「プラットフォーム」を検討している。
今村氏 基本にあるのはまずは「クラウドサービス」と、そのサービスを使えるようにするための「フライトコントローラー」であり、そのフライトコントローラーが必要とする情報を得るために「センサー」が必要になってきます。要するにドローンはIoTそのものなのです。
最近「IoTプラットフォーム」と言う概念が発表されるようになってきましたが、私はドローン用のIoTプラットフォームを構成する“パズルのピース”を1つずつ埋めている状態です。
独自のドローン(機体)を作りたい人は「フライトコントローラー」を購入してもらうことで、独自機体にてクラウドサービスを使用可能になります。そのクラウドサービスもオリジナルで作りたい人には、APIを公開してパーツとして使ってもらうことを想定しています。フライトコントローラーに組み合わせられるモーターやバッテリーなどはそれぞれのメーカーから発売されると思うので、普通に購入できます。
今村氏 現在みなさんが取り組んでいるドローンはそれぞれの用途に特化した、いわば特定の「サービス層」に向けた製品です。特定用途に特化しているため、その業務に使う分は良いかもしれませんが、後から発生する需要に応えるには難しいでしょう。
農薬散布用として導入したドローンでも、農家ならば、農薬散布をしない時期もあります。その時期には育成具合のチェックに使いたいという需要が生まれます。その需要を満たすためには、ドローンに搭載するデバイス、あるいはドローンを構成するデバイスすら着脱できるようにすればいいでしょう。
それが自社だけではなく、共通化してどのメーカーのものも使えるようにする。その中で競争があるからこそ、産業になっていくと思います。
安全を担保するドローン用パーツを標準化しようという発想は、産業用としてビジネスに使えるドローンの土台作りにつながっているのだ。しかし、今村氏自身、ドローンワークスのビジネスとしてはどこで採算を取るのだろうか? メインとなる事業はフライトコントローラーの開発だが、これはオープンソースで出すという。
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