正転(時計回り)させるためには、X → Y → -X → -Yの順に電圧をかける必要があり、この順番で4箇所に電圧を掛けると4ステップ分、モーターの軸は回転します。
このステッピングモーターは48回転で1周(360度回転)しますので、1ステップあたり7.5度回転する計算になります。この順番(X → Y → -X → -Y)で循環的に接点を切り替えてやればステッピングモーターは回転し続けます。
ただ回転させるだけであればどこから始めてもよいのですが、3DプリンタやCNCなど精度が要求される場合には、前回止まった次の接点から始める必要があります。また逆転(反時計回り)させる場合は、先ほどとは逆に-Y → -X → Y → Xの順に接点を切り替えます。
上図が回路図です。タクトスイッチ「S1」が閉じるとXとCOM(X)間のコイルに電流が流れます。「S2」が閉じるとYとCOM(Y)の間のコイルに電流が流れます。「S3」が閉じると-XとCOM(X)の間、また「S4」だと-YとCOM(Y)間のコイルに電流が流れます。
S1からS4までを順番に押していくと正転します。電源は乾電池を4個直列にして6Vを用います。
タクトスイッチを押す際の注意としては、同時に複数のスイッチを押すことのないようにしてください。すぐに何かが壊れるという事はないのですが、回転とは相反する方向に磁力が加わることがありますので、電力が無駄に使われたり発熱の危険があります。
うまくオーバーラップさせてトルクや回転速度を増す方法もありますが、手動では難しいかも知れません。またタクトスイッチを押し続けるとコイルに電流が流れ続けて電池やモーターが異常発熱する場合がありますので気を付けてください。
この例はステッピングモーターの正規の使い方を紹介するものではありませんが、手動でも自由にパルスを生成できるので、仕組みを深く知るためにも以下の実験にも挑戦してみてください。
「S1」と「S3」を交互に押してみてください。1つのパルスで2ステップずつ、順方向に回転します。次に「S2」と「S4」を交互に押してみてください。同様に1のパルスで2ステップ回転しますが、回転方向は逆になります。
この現象は、ステッピングモーターの仕組みを理解するうえで重要なヒントになると思います。なぜそうなるか、ぜひ考えてみてください。
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