リモノは日本に向けた製品だが、欧州の制度「L6eカテゴリー」をにらんで開発した。同制度には伊藤氏と根津氏が考える“より多くの人に乗ってもらうための条件”がそろっているが、日本には同制度に相当するカテゴリーがない。
L6eカテゴリーは、以下の条件がそろった超小型電気自動車を指す。
同制度はフランスやイタリア、スペインなどで導入されており、原付免許があれば14歳から運転できる。
一方、日本には原付免許で運転できる4輪の乗り物はない。リモノ市販時の仕様となるミニカーと、超小型モビリティは普通免許が必要だ。伊藤氏と根津氏は定員もネックだと考える。ミニカーは1人乗りとなり、超小型モビリティであれば2人乗りにはなるものの、地方公共団体が指定した地域内でしか走行できないという最大の制約がある。
より多くの人に運転してもらうという点で原付免許で運転でき、夫婦や親子で移動できることを考えると1人乗りではなく後部座席に大人1人(子供2人)が乗れるというのが伊藤氏と根津氏が考える本来のリモノの仕様だ。もちろん、地域限定でしか走行できないという制約もなくすべきだと考えている。
このようなコンセプトのリモノが該当するカテゴリーを日本に作るため、伊藤氏と根津氏は日本版「L6e制度」の導入を呼び掛ける。
リモノは日本版「L6e制度」が導入されるまで、1人乗りのミニカーとして販売する。目標販売価格は購入補助を除いて100万円、販売台数は50台を計画している。コンセプトモデルと同じ仕様の2人乗りモデルは、協力を得られる自治体で実証実験として先行的に導入し、日本版「L6e制度」が確立されてから市販する。目標価格は月販1000台の場合に40万円前後を見込んでいる。
日本版「L6e制度」の導入以外にも資金調達や基幹部品の調達など課題は残る。量産モデルの開発費用は、クラウドファンディングなどを通じて出資を募る計画だ。基幹部品についても、「インホイールモーター化を前提としたモーターと、高エネルギー密度で低価格なバッテリーを探している。バッテリーは交換式で、リモノ以外にも使えるような仕様としていきたい」(伊藤氏)としている。
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