三井化学が提供したのは外板のウレタンフォームやドアパネルの変性ポリアミド、骨格のポリアミド樹脂、シートのクッションや受け材、窓の曇りを抑える親水コート、床材だ。これらの材料はこれまで自動車向けに採用されたことがなかった。
例えば、床材のネットは樹木の根もとの保護に、シート受け材は土砂崩れ防止に、構造部材のコーティングはコンクリートを水分から守り強度を上げる用途で使われている。「これらの素材をクルマに使うという発想は全くなかった。自動車用は自動車用に、土木用は土木用に商談するという固定概念で仕事をしてきたが、リモノと組むことで新しい使い方に気付かされた」(三井化学の説明員)という。
外板のウレタンフォームは布でくるんだ柔らかいものだ。この布はテント用のファブリックで帝人フロンティアが提供した。色やデザインなどさまざま取りそろえており、使う人の好みに合わせて着せ替えが可能になる。
リモノの本来の仕様は、運転に必要な免許を含めて日本には当てはまるカテゴリーがない。市販を予定している2017年時点では、やむを得ず仕様を変更して1人乗りで普通免許が必要なミニカーとして発売する計画だ。また、制度上の制約が多い超小型モビリティでは本当にいろいろな人が乗れるとはいえないとの考えのもと、超小型モビリティとしては販売しない。
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