何度も言いますが、日本のモノづくり業界は大きな変化を求められています。当たり前を「破壊」して、今この世界にないものを、50年後、100年後の「当たり前」にしていく、それが「イノベーションを起こす」ということ。
なのに多くのモノづくりエンジニアは、自分が担当する技術や工程、部署単位の動きだけを見ていて、既存業務の効率を上げることで満足してしまう。そして日本のメーカーは、この小さな国の中で、数十社の競合企業よりも優位な商品を作ることに躍起になっている。自分が住む池が干上がりつつあることに気付かず居座り続けるカエルのように。
「失敗への恐怖」を取り払い、各個人そして企業が現状を論理的に見つめ、“意志”を持って動いていかねばなりません。「会社」というのはただの概念であり、実在しません。会社は“意志”を持った「人」の集合体なのです。
イノベーションを起こせる人々が、部署を越え、企業を越え、情報をオープンに共有する。多くの視点・広い視野をもってさまざまな情報や知見、技術を生かし、手を取り合って日本が立たされているこの危機的状況を抜け出すんです。エンジニアは、その組織や企業を背負っても意味がない。「日本を背負う」という意志が必要です。
2020年、東京オリンピック。日本の技術を世界に発信する最高のプロモーション機会が控えています。世界が日本に注目します。あと4年。まだ間に合います。それまでに私たちは、どのような“イノベーション”を起こせるのでしょうか。
この連載が、皆さんの通勤中や休憩時間の息抜きだけでなく、誰か一人の“意志”や“勇気”となり、イノベーターを生むきっかけになったら、とても幸せです。今までお読みいただいた皆さん、本当にどうもありがとうございました!
通信機器、情報機器メーカーより株式会社VSNに転職。VSNに入社後はエレクトロニクスエンジニアとして半導体のデジタル回路設計やカメラ用SDK開発業務に携わる。
2013年より“派遣エンジニアがお客さまの問題を発見し、解決する”サービス、「バリューチェーン・イノベーター(以下、VI)」を推進するメンバー「バリューチェーン・イノベーター・プロフェッショナル」に抜擢。ビジネス・ブレークスルー大学・大学院の教授である斎藤顕一氏より問題解決手法の教示を受け、いくつもの問題解決事案に携わる。
現在はVIエキスパートとして、よりハイレベルなサービスの提供に向けての提案活動を牽引する他、社員の育成プログラムの構築〜実施を行う。
株式会社VSN http://www.vsn.co.jp/
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