前回から「求められる力」の伸ばし方についてお話ししています。組織でイノベーションを起こしていくために必要なのが「コミュニケーション力」です。そのコミュニケーション力を伸ばすための3つのポイントをお伝えします。
前々回の「イノベーターに求められる力」を受け、前回から「求められる力」の伸ばし方についてお話ししています。
前回は「論理的思考力」、そして今回は「コミュニケーション力」についてです。「論理的思考力」を磨き、「個」としてのスキルを上げると同時に、組織でイノベーションを起こしていくために必要なのが「コミュニケーション力」です。そのコミュニケーション力を伸ばすための3つのポイントをお伝えします。
簡単に想像ができると思いますが、自分のことばかりを考えている人の周りには、人は集まりません。「人のため」なんてよくいいますし、誰しもがその意義も尊さも知っていると思います。しかし実行できているかというと、決してそうではないはずです。
例えば、書類作成に集中しているあなたに後輩が話しかけてきました。そこであなたはどうしていますか? キーボードを打つ手をすぐに止め、彼の立つ方に振り返り、体を向けて正面から話を聞けていますか? 視線はPCに向けられたまま、声だけで返事をしていませんか? 「忙しいからメール送って」などと返答していませんか?
「なんだか忙しそうで、話しかけづらいな」、そんな印象はあなたからコミュニケーション機会を奪っていきます。日々の相談、お願い、もしくは息抜きの雑談。それらを「面倒」だと思っておざなりに対応しては、あなたの周りに人は集まりません。
自分の仕事の時間を止めて、相手とのコミュニケーションに時間を割けるかどうか。さらに、受動的にではなく、こちらから主体的に、積極的に、相手に関わる時間を作れるかどうか。
各自が持つ時間も、お金も、全て限られています。けれどそれらのリソースを「人のために」使おうとする意識と実行力は、たくさんの人を引き寄せるでしょう。
“たくさんの人を引き寄せる”という点で大事なのが、ポジティブであることです。何事にもポジティブな姿勢で挑み、ポジティブな発信をすること。ネガティブな姿勢はネガティブな発信を生み出します。ネガティブな発言を繰り返す人の周りに仲間は集まりません。物事に前向きに、明るくいられるだけで大きな武器となります。
さらに、何かの問題に直面したときも、「できない理由」ではなく「できる」という思考のもと解決に向けてどうすべきかを考えるため、思考を停止させることがありません。ポジティブに思考を続けることが、クリエイティブ性を生み、保持することにもつながります。そこからイノベーションが生まれるのです。
世界的なコンサルティングカンパニーであるマッキンゼー社でも、「Positive Mental Attitude(PMA)」は、コンサルタントに求められる重要な資質であるとうたわれています。
なにより、ポジティブな発信は周りの人もポジティブにします。ポジティブな意識の連鎖が起こり、その組織はより広い視野で、より広い問題に立ち向かうことができるでしょう。
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