GMジャパンが純正装着用に設定する統合制御ナビゲーションシステム、CUEはパナソニックがサプライヤだ。CarPlayのマップアプリとは別にCUEもカーナビ機能を持っており、パナソニックのカーナビを使ったことがある人にとっては見覚えのあるデザインとなっている。
CarPlayとCUEを同時に起動しておける点から思い付き、マップアプリとパナソニックが作ったCUEのカーナビ機能に、同じ目的地に向けて同時にルート案内をさせてみた。音声案内はCarPlayとCUEの両方から流れる。
幹線道路を使って行きやすい目的地だったためか、CarPlayとCUEのルート設定は同じで、方向を指示する音声案内のタイミングもほぼ一緒だった。ルート案内の能力には大きな差がなさそうだ。かつて、iOSのマップアプリはあまりにも誤りが多すぎることが話題になったが、不信感を持つほどではないだろう。
ただ、車載情報機器メーカーが作ったカーナビ機能に慣れていると、CarPlayのマップアプリには違和感のある部分が幾つかあった。1つ目は地図のスクロールだ。CarPlayでは上下左右にしか移動できない上、1回にスクロールする距離が長すぎる。道路沿いに少しずつスクロールしていくということができないのだ。
2つ目は、ルート案内時以外は北が上になって表示される点だ。多くのカーナビは進行方向を上向きにする表示が初期設定なので見にくく感じられるし、とっさに地図と眼の前の空間を一致させるのが慣れるまで難しい。CarPlayの画面上では、地図の向きを設定する方法を見つけられなかった。
渋滞状況が表示されないことや、夜間でも白が基調でまぶしい表示のままなのも気になった。さらに、Siriにルート案内を頼むと、有料道路か一般道かをドライバーに確認せず勝手に有料道路を選ぶのも難点だ。ルート案内が始まってから「一般道のルートに変更して」と何度か頼んでも、Siriは聞き入れてくれなかった。
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