ナビタイムジャパンは、「第7回国際自動車通信技術展」において、運送業向けのトラック専用のカーナビゲーションアプリを紹介した。トラックが対象となる通行規制を考慮したルート設定や、トラックが駐車可能な施設の検索が可能だ。トラック向けのカーナビが普及していないことに対応し、経験不足なドライバーでも働きやすくする。
ナビタイムジャパンは、「第7回国際自動車通信技術展」(2016年3月16〜18日、東京ビッグサイト)において、運送業向けのトラック専用のカーナビゲーション(カーナビ)アプリを紹介した。トラックが対象となる通行規制を考慮したルート設定や、トラックが駐車可能な施設の検索にも対応している。トラックではダッシュボードに組み込むタイプのカーナビゲーションシステムが普及しておらず、走行ルートの計画は紙の地図を使う例も多かった。また、通行規制情報も紙ベースで発表されるなどアナログな側面が強かった。アプリはAndroidスマートフォン/タブレット端末向けで2016年3月末から提供を開始する。当面は無料で全ての機能を使用できる。
乗用車向けのカーナビアプリと異なる点は、使用する車両の情報を登録する点だ。メーカー名、車種名、型式を選択して設定することで、車種別の通行規制や、車幅、車高、重量などの制限を考慮し、通行できない道を除外したルート案内を行う。配送ルートは、経由地を10カ所まで追加でき、よく使うルートも保存可能だ。
トラック専用のカーナビアプリは、運送業界の人手不足をにらんで開発した。運送業界は人手不足が進み、経験者採用が難しくなる。そのため「未経験者や運転歴の短い人材も対象を広げて採用しなければならなくなっていく。その一方で、そういった人材を助けるカーナビゲーションシステムがトラックでは普及していないという課題があった」(ナビタイムジャパンの説明員)。今回のトラック向けカーナビアプリによって、経験の浅いドライバーの業務を支援する。
同社の説明員によると、トラック専用のカーナビアプリの提供は日本初となる。「組み込み型のカーナビゲーションシステムは乗用車向けが主で、バッテリーの電圧が異なるトラックで装着するにはコストが高くなる。そのため、カーナビゲーションシステムの代わりに、紙の地図でルート計画を立てている企業も多い。紙ベースのルート計画に通行規制などの連絡事項も書き込んで伝達している」(同社の説明員)という。経験の浅いドライバーが紙を頼りに安全かつ効率に巡回するのは難しい。
また、警察から随時発表されるトラックの通行規制の情報に対応した点も同アプリの特色としている。通行規制情報は紙ベースで発表されており、従来は「デジタルで規制情報を取得できる車載情報機器はほとんどなく高価な製品に限られる」(同社の説明員)のが現状だった。
同アプリでは関東1都6県の約1万5000カ所の通行規制を網羅してルート案内に反映させる。今後、日本全国の通行規制情報に対応した後はアプリを有料とする予定だ。紙ベースの通行規制情報をデジタル化してアプリに反映するコストを含めるためだ。月額利用料金は1000円未満を想定している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.