ネーミングのコツ、プログラムコードでモデル図の説明、モデル図のメトリクス相場、ホットスポットの発見、図のレイアウトに関するコツ、今すぐ必要なものだけをモデリングするなどいろいろなコツがあります。これらのコツやその他のコツは第5回の記事を参照してください。
なおモデリングの成功には、今回のモデリングで役立つ短期的なものと、次回からのモデリングで役立つ長期的なものがあります。コツというと短期的に成功に導くものを指しています。ここではまず短期的な成功のためのコツを学んでください。
モデリングの成功とは、モデリングの目的が継続的に達成されることです。つまり成功にはモデル図が再利用され、その運用が多くの人によって継続的に行われる必要があります。
そして今回のモデリングの成功よりも、今後のモデリングの継続的な成功の方がより価値があります。このためには回り道、継続的な成功への布石も重要です。
モデル図でよく現れるパターンとしては、モスク型とツリー型があり、ツリー型の構造を要素とした階層型があります。これらのパターンで描かれたモデル図は分かりやすく優れたモデル図になっている場合が多いです。
多くの人が描くモデル図が多くの人にとって違和感もなく読み解くことができますので、パターンに従って、モデル図を描くというのは重要です。
1つのモデル図に含まれる要素の数は4個以上16個以下、要素間のリンク数は4本以下などの相場観があります。このメトリクスの相場観の詳細については第6回記事を参照してください。
この相場観はモデリングだけでなく、他の全てで重要なものになります。経験とはこの相場観を身に付けることであり、スキルがあるということはこの相場観を初めから感じ取れる才能のことです。このためにもモデリングの経験を積んで相場観を身に付けてください。
モデリングにおいて抽象化と具象化のバランスは抽象化を重くして、その比率は3:1ぐらいにします。またヒアリング、モデリング、レビューでのバランスの取り方のコツを第6回の記事で紹介していますので、参照してください。
(5-4)の相場観と同様に、バランスというのも、モデリングに限らずに重要なことです。このバランス感覚を身に付けるためにも、モデリングを多く経験してください。文献などを読むこともいい経験になります。
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