モデリングの運用を継続的に行うには、モデル図の収集(登録)・検索・変更管理などを行う仕組みが必要です。モデリングは継続してこそ、大きな効果が出るものです。モデルの登録など個々の工程でどのようにするかは第6回記事を参照してください。
継続もモデリングに限らずに重要な要素です。まさに「継続は力」です。「継続はモデリング、モデリングは継続」と言う事になります。
モデリングの継続的運用で重要なものとしては、モデル図の継続的評価があります。モデル図の収集では「優れたモデル図」を収集することが重要です。アンチパターンとして収集するときでも、悪いという評価が必要になります。再利用するときにモデル図の評価は重要な参考になります。そしてこの評価により、優れたモデル図を再利用することができます。
この評価もモデリングに限らずに重要なことです。評価なくしては何も制御できませんし、何も管理運用できません。評価を正しく妥当に行えることこそ、能力であり、力になります。評価をするためにも、多くのモデリングの経験(文献参照も含む)が必要になります。
中級以上のモデラーを育成する方法としては、(1)メンターによる個人指導、(2)計画的なOJTなどがあります。また育成そのものは困難なので、育成の環境整備が重要になります。そのための施策としては、(3)育成環境の整備と、そのベースとなる(4)モデリング文化の醸成があります。これらの各施策については第6回の記事を参照してください。
何事においても中級以上の技術者を育成するのは困難で、それはモデリングでも同様です。上記にあるように、結局は個人による育成と人事評価も含む環境の整備が重要になってきます。
モデリング文化を醸成するために、モデリングのハイプカーブの各期間において適した施策を行う必要があります。黎明(れいめい)期には規則を作って勉強会を開催したり、流行期には初心者教育の実施、幻滅期には失敗事例の報告会や再評価などを行います。詳細は第6回の記事を参照してください。
このようにそれぞれの時期に応じた施策をすることが必要になります。組織文化にも依存しますが黎明期が長い組織や一度幻滅期になると立ち直るまでの時間が異常に長い組織もありますので、組織と時期に応じた施策が必要になります。
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