統計アレルギーの解消には、身近な分野で考えてみることも大切です。今回は「ワインを飲まずに、ワインの品質を予測する方法」を例に統計に触れてみましょう。
ソフトウェア業界に限らず、あらゆる分野でデータは分析されています。例えば、ワイン業界では「味」「香り」「色」などの測定可能な項目を選び、ワインの良否を判定します。統計アレルギーの解消には、身近な分野の事例を考えることも大事です。
今回は1980〜90年代に世界のワイン業界で大きな話題となった「ワインを飲まずに、ワインの品質を予測する方法」を例に取り、統計のお話をします。
「お酒」」と聞いて、ビールを思い浮かべる人も多いでしょう。ビールは比較的安価でガブガブ飲めるため、飲み会の定番といえます。一方、ワインは750ccのボトル1本が数百円から数百万円までと価格帯が異常に広く、スローペースで飲みます。
飲料としての両者の最大の違いが賞味期限でしょう。ビールは鮮度が命で、賞味期限を9カ月に設定しているものが多いようです(*1)。ビールと異なりワインには基本的に賞味期限が設定されていません(*2)。高級ワインは年がたつと熟成しておいしくなると言われ(*3)、高価になります。この価格上昇を見込み、投機対象として購入する人も少なくありません。
投機目的でワインを買う人にとって、将来値上がりするワインが分かると、すなわち、価格予測ができると非常に便利です。次節では、実際にある(謎に満ちた)ワインの価格予測法を詳しく説明します。
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