――ところで、大人になって「ミニ四駆」にハマったきっかけは何だったのでしょうか?
圓田さん 子どものときは、もちろん遊んでいましたね。第一次ブームのころです。もともとクルマが大好きなので、大人になってからは実車の方をいじっていました。ミニ四駆と再会したのは2014年11月ごろ。たまたま仕事関係でミニ四駆を1台手にする機会があって、それからはどっぷりと。今では「積み四駆」が家に50台以上ありますよ(笑)。
藤村さん えー、ホントにそんなにあるの? そりゃ、奥さん怒るよね(笑)。
圓田さん (苦笑)
藤村さん ボクも小学生のときに出会って、当時数百円のお小づかいの中で遊んでいましたよ。でも、限界があるんですよね。子どもだからお金もなくて全然パーツとか買えなくて……。で、速いマシンについていけなくなって、それっきりという感じでした。その後、渡米して、日本に帰ってきてからオートデスクの社員として、Fabミニ四駆カップの「マジFABクラス」の方に参加することになって、そこで久しぶりにミニ四駆を触りました。そのときは、まだミニ四駆そのものというより、Fusion 360で設計するネタの1つとして「面白いな」という感じでした。そういう意味で、既製品で遊ぶようになったのは圓田さんと出会ってからですね。
圓田さん そうそう。藤村さんって、Fusion 360でバリバリとカッコイイミニ四駆とか作れるのに、ミニ四駆自体の才能はないんですよ。ミニ四駆を走らせたら焦げた臭いがしてくるとか(笑)。
藤村さん 大人って、子どものころできなかったことができるじゃないですか。ぶっちゃけ、2万円くらいパーっとつぎ込んで、一番いいパーツ買いまくるとか(笑)。で、当然、絶対一番速いと思うわけじゃないですか!! だけど全然お金掛けていないマシンに負けるんですよね。「あれ? なんで?」って。
圓田さん いや本当にひどいんですよ。何がひどいって、藤村さんと一緒にお店に行ったときなんて「どれ!? どれを買えば速くなるの?」って(笑)。買い方がサイテーですよ。で、たくさんお金を使ってもレースに勝てなくて、「じゃあ、次はどれ買えばいいの!? どれ? これ!?」って(笑)。
――ちょっと話を戻しましょう(笑)。「Fusion 360」の第一印象はいかがでしたか?
圓田さん Fusion 360を教えてもらえることになって、藤村さんから「取りあえず、Fusion 360をPCにインストールして持って来て!」って言われたんです。で、インストールしたついでに起動してみたんですよ。初めて……。いや〜ワケが分かりませんでしたね。当時は英語版でしたし、すぐにそっとPCを閉じました(苦笑)。だから、ボクみたいにCADそのものを初めて触るような人だと独学はかなり厳しいんじゃないでしょうか。
藤村さん “CAD経験ゼロ”で何も参考にしないで覚えるのは不可能に近いでしょうね。最初は人に聞くとか、ワークショップに参加するとかある程度のサポートを受けた方が効率が良いと思います。それが難しい場合は「Autodesk 123D Design」から始めてみることをオススメします。Fusion 360よりもたくさんの情報源がありますし、“3Dの入り口”としての機能が凝縮されています。まぁ、圓田さんの場合は、そこをすっ飛ばして、いきなりFusion 360(主にT-Splines)を触っているケースなんですが(笑)。
圓田さん そうですね(笑)。
藤村さん どうしてもFusion 360からというのであれば、やはり何らかの講習などを受けて、基本的な操作とUIを覚えることですね。後は、ゴールさえあれば、ガッツでちょっとした困難も乗り越えられると思いますよ。始めにUIや基本操作で詰まってしまうと、それだけでやる気がなくなっちゃうんですよね。ボクなんかでも初めて触るツールはやはり戸惑いますし、イライラしますよ。「どうしても独学で!」というのであれば、Fusion 360が用意しているチュートリアルにトライすることをオススメします!
――ちなみに、「123D Design」から「Fusion 360」へステップアップするタイミングってどこなんでしょうか?
藤村さん 123D Designは3次元CADの中でも機能が限られ、非常にシンプルなソフトウェアであるため、しばらく使っていると慣れてくると思います。123D Designは基本形状の押し引き、足し引き、スケッチからの押し出しなどが基本なので、いつか実現しづらい形状にぶち当たるときがきます。また、後から形状を修正したいというニーズが発生したらFusion 360へ移行すべきかもしれません。123D Designには履歴管理機能がありません。ですから、一度作った形状を修正するのは非常に大変です。そこにイライラを感じるようになったら確実にレベルアップしているといえます。ちなみに圓田さんは履歴管理機能使っていますか?
圓田さん はい、すごく便利に使っていますよ! 例えば、ヘッドライト部分の穴開けを増やしたい(2つから3つに変更したい)場合などです。ヘッドライトの形状に穴開けした部分を、履歴でさかのぼって形状を変更しても、履歴を戻せば穴の開いた状態で新しい形状が反映されます。ぼーっんとブーリアンなどしなくても穴を追加できます。まるでタイムマシンのような使い方ができるんです!
藤村さん 聞きました? 半年前までCAD経験ゼロだった人が「ブーリアン」とか言っちゃうんですよ(ニヤニヤ)。
圓田さん やめてくださいよ〜。この人、ボクが「ブーリアン」って言うといつも笑うんですよ。「いや〜、圓田さんも『ブーリアン』とか言い始めてねぇ〜(笑)」みたいな。いいじゃん! 最近覚えたばかりだから、使いたいじゃん(笑)。
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