――「T-Splines」を使ったモデリングはいかがですか?
圓田さん 最初に教えてもらったときは知恵熱が出るし、イライラするしで大変でしたね(笑)。しかし、Fabミニ四駆カップ 2015 Springの会場で見た藤村さんのマシンや、自動車メーカーのデザイナーさんたちのマシンが目に焼き付いていて、「自分もいつか作ってみせる!」という思いがあったおかげで何とかやってこられました。で、あるときふと、紙と鉛筆のようにT-Splinesが使いこなせていたという感じです。何というか、この面をどういじったら、どう変化するか、みたいなことがイメージできるようになったんです。そこから一気に楽しくなりましたね!
藤村さん スケッチを描いて、押し出して〜という“THE CAD”ではなく、「ミニ四駆のボディーを作りたい」という要求に応えるために余計な機能は教えずに、T-Splinesに絞ってレクチャーしました。基本的に覚えないといけないのが、移動・回転・スケール、後は切った・張っただけです。実際に、それだけ教えてやってもらったら1号機が何とか出来上がってきました。で、それを見て「あー、やっぱりできるな」と思って、しばらくは他の機能を教えずにT-Splinesだけをひたすら使ってもらったんです。そうしたらどんどん上達していって、「もっとここをこうしたい!」みたいな具体的な欲求が出てきて、それに対して答えるという感じでやりとりしていました。
圓田さん はい。何となく思い描いた形ができはじめると、今度は「リアウイング」とかいろいろやりたくなるんですよね。だから教えてほしいこともかなり具体的だったと思います。
藤村さん で、「リアウイングの形状であれば、『ソリッド』の方がいいよ」となって、ようやく別の機能を教えるんですね。ニーズベースでちょいちょいっとやり方を教えていく感じでしょうか。実際、最初の何台かまではサポートやアドバイスをしてきましたが、それ以降のマシンはほとんど何もしていないですね。ちなみに、圓田さん、今だとどれくらいのペースでFusion 360を触っていますか?
圓田さん 「今日やろう!」と思ったら、2〜3時間は触っていますね。週で2日くらいでしょうか。
藤村さん おお、すごい! 「ボク、週2でテニスしています!」ていうのと同じで考えたらかなり“ガチ”な感じがしますね(笑)。
圓田さん おかげさまで、最近は白い紙にアイデアをすらすらと描くような感覚で使えるようになってきたので、2時間くらい試行錯誤して、「あー、やっぱりダメだ!!」とそのまま削除しちゃうこともあります。陶芸家みたいに(笑)。正直、時間をかけてムリに形状を整えようとするよりも、いったんそれを捨てて、イチから描き直す方がスーッとうまくいくことがあるんですよ。
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