マカフィー氏からプレゼンテーションのバトンを受け取ったのは、研究開発部門を率いる取締役のトーマス・ウェバー氏だ。新型Eクラスは、量産車として初めて、自動運転車としての走行テストを公道で行うための許可を受け、ネバダ州のナンバープレートを取得した。
「W213」の開発コードで呼ばれる新型Eクラスは、初めてEクラスを名乗った「W124」から数えて5代目、その源流をさかのぼれば“ポントン”の愛称で呼ばれた「W120/W121」から数えると、10代目となる。開発に当たって重視されたのは、「適応能力(Ability Adapt)」「予想する能力(Ability of Anticipate)」「高効率(Efficiency)」の3つだ。
目新しい点は、以下の4つだ。
全長は従来比で43mm長い4923mm、ホイールベースは同65mm増の2939mmへと伸長されており、オーバーハングが短い。このことから、全体にスポーティーな印象を受ける。外観は、クーペのように流麗なスタイリングを持ち、先んじたSクラスや「Cクラス」に通じる“メルセデス・ベンツらしい”フロントビューを備えている。
ヘッドランプの形状は立体的でシャープであるが、柔らかみのある表情を持たせている。左右独立のリアランプは、「スターダストエフェクト」なる細部の加工が施されていて、華やかさを演出している。ボンネットからドアハンドルを通して、リアエンドへとつながるキャラクターラインと凹面の組み合わせがソリッドな印象を強調し、スポーティーさが向上している。
新型Eクラスは先代同様、2種類のフロントビューが用意される。スタンダードなベース仕様は、トラディショナルなグリルとボンネットの上にスリーポインテッド・スターが備わる。一方、上級グレードのアヴァンギャルドでスポーティーなAMGラインには、横桟のグリルの中央に巨大なスリーポインテッドスターが鎮座する。
室内の印象は、外観以上に最上級モデルのSクラスを意識したものだ。水平方向を強調し、上下に分かれた形でデザインされたインテリアはSクラスに通じる上質感だ。「クラシック」「スポーツ」「プログレッシブ」の3種の内装パターンが用意される。Sクラスで好評だったマッサージ機能についても、大幅な改良が加えられている。
日本仕様での採用は未定だが、北米仕様のインテリアでは12.3インチのワイドスクリーンディスプレイがインストゥルメントパネルの中央に備わっている。速度やエンジン回転数などの運転に必要な情報を表示するメーター類は液晶表示だ
65色ものカラーが用意されるLEDのアンビエントライトや、最新のHMI(Human Machine Interface)といった機能が盛り込まれており、操作も複雑になりそうだ。だが、新たに発表されたステアリング上の「タッチコントロール」で全ての機能をシンプルに操作できる。
具体的には、左右にタッチ式コントローラーとボタンが備わっている。車載システムの操作系の場合、運転中に使うという前提から画面や操作系を注視できない。このため、決定などの重要なプロセスではクリック感や振動などで現実感を高めることは、スマートフォン以上に重要だ。
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